気まぐれ


『越前くんって猫みたいだね』

最近、俺の気まぐれで苗字とよくメールするようになった。気まぐれって言っても急用なメールとかはちゃんと返してる。でもくだらないメールをちゃんと返すのは苗字くらい。あ、あと堀尾。ただ席替えで隣の席になってよく話すくらいの仲になってメールまでしてる、だけ。正直、俺には恋と言い切れる感情はないから本当に気まぐれ。

『そんなの言われたことない』
『あ、今日猫の日!越前くんの出番!』
『…別になにもしないから』

メールを送信しました、って表示されてすぐに苗字から電話という文字が表示された。俺の気まぐれで、出た。

「なに」
「かっこいい越前くんからのニャンが聞きたいな、と思いまして」
「絶対言わないから」
「じゃあ誰が言うの!」
「………俺?」
「ハイ今言いましたねー、越前くんからのニャンまで!さん!にー!いち!」

俺にもノリというものがある。だからほんの少しの気まぐれで。

「………………ニャン」

俺から電話を切ってやった。恥ずかしさから上手く喋れなくなると思ったからだ。少しだけ自分の気まぐれが恐ろしいとも思った。


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黒と深緑のような毛並みの猫越前…毛並みは癖のある綺麗な猫なんだろうな〜触りたい。間に合ってよかった!

2014 0222


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