遅刻
6時53分、遅刻になる可能性が出てきた!パンをくわえながら走るなんて器用な真似はできない。でも人間食わねば戦はできぬ!
しかし先程から私の見える風景が変わらないのは、生まれ持った運動音痴のせいだろうな。シャトルランは未だ30超えならずで、友達の杏子ちゃんには笑われる始末だ。くやしい!身体は柔らかいから長座体前屈ではトップなんだからね!

そうこう考えるうちに校門を突破成功!よし!だけど時計は7時3分。7時に間に合わなかったかあ〜!

この際だから正直に言おう、私はテニス部マネージャーの遅刻の常習犯だ。好き好んで遅刻をするわけじゃない、朝が弱いだけでね!家も遠いから自転車通学のほうが速いのは目に見えて分かるんだけど乗れなくってね!自転車こわい!乗れない!

「あれ?なになにそのジャージテニス部?遅刻だよ君〜仲間じゃ〜〜〜ん!」
「…勝手に仲間意識されてもね」
「ってアレ、越前くんじゃないの」
「花子先輩葉っぱ頭に付けすぎ」
「つかれたからとってよ!もしかして届かない?」

おお〜!見事にスルーされた。
もう遅刻確定だけど、せめて私は急いで来ました感を出す為に息をわざと切らす。
越前くんダルそうに来すぎ!手塚くんに怒られちゃうよ!

「遅かったな、山田、越前。グラウンド10周だ。」
「花子先輩もっすよね」
「私はマネージャー業してきます!」
「お前もだ」
「手塚くん厳しい!」

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