「ご無沙汰しております、校長先生」
「仲苑くん、久しぶりだね。何かあったのかな?」
「いえ、今日はお願いがありまして」
「なにかな?」
「…僕が部活をすること、許可して頂けませんか」
「それは、」
「件の件は、その部活の監督の先生方には僕からきちんと話しますから」
「うん分かった、いいよ」
「本当ですか!」
「ああ。君はもう高校生だし、自分の限界は分かってる筈だからね。ただし無理しちゃいけないよ?監督さんや先生に必ず話すことが条件だ」
「ありがとうございます!」




「俊介」
「どうした?」

キッチンで風呂上がりの牛乳一杯をぷはーっとオッサンのように飲み干した俊介に、俺はリビングのソファーから声をかけた。半ズボンに肩にタオルをかけただけの俊介は口を拭いながら寄ってきて、俺の横に腰掛ける。そんな俊介に、俺は目線は目の前の適当に付けていたテレビのままに続きを話した。

「俺、運動部入ることにした」
「校長は、」
「いいって」

放課後に俊介が部活に行った後話した、と詳細を話せば納得したようで、隣で首がカクカクと上下するのが横目で見えた。

「何部にするか決まってんのか?」
「野球部にしようと思ってる」
「…選手か?」
「いや、マネージャー」
「何だよ、バスケ部だっていいじゃんか」
「やだよ、部活までお前と顔合わせなきゃとか最悪」
「うっわ辛辣!」

そう言って、言葉が針だ!痛い!ドS!とかなんとか隣で騒ぐ俊介が(想像以上に)うざいので横から後頭部を叩いておく。すると、俊介は叩かれた(叩いたのは俺だが)頭を摩りながら笑って言った。

「まあ、榮紀は野球好きだもんな」
「…スポーツの試合生で見たの、野球が初めてだったから」
「分かるよ、俺もバスケが初めて生で見た試合だからな。試合の緊張感と一体感と、ゴールした時の高揚感!バスケとは俺の為にあると思った」
「真顔で馬鹿なこと言ってんなよ…まあ分からなくもないけどさ」
「わお、野球は俺の為に?榮紀も大概ナルシストじ」
「そっちじゃねえよ、お前と一緒にすんな」

俺はそう言って今度は横から肩を殴る。うわ、ツッコミがグレードアップ!さらにいたい!とか俊介が肩を擦りながら言っているが無視だ。こいつの場合、シリアスにさせないためにわざと騒いでのか、普段通りの(うざい)ボケなのか分からない。はあ、と額に手を置いてため息をつけば、隣で俊介が口を開いた。

「なあ、そういえば野球部って今年から硬式になんだろ?」
「ああ。部員みんな一年だって」
「…マネージャーって、お前一人なんじゃ」
「いや、多分もうひとりいるよ。今日俊からメール来る前に野球部をフェンス越しから覗いてたんだけど、そん時ふわふわした髪の女子がいたから。一日考えてみるって言ってたけど、野球相当好き見たいだから入るんじゃないかな」
「…ふーん?じゃあ大丈夫かねー」

俊介はそう言ってニヤニヤと気持ち悪い顔をした。あ、今のは絶対に普段通りふざけてる。
俺は横から脇腹にパンチをくれてやった。



ミッドナイトブルーの友情

隣で騒ぐ(ふざけてる)俊介に呆れて、もう寝ると告げながら立ち上がれば、おやすみと一緒に頑張れよと言われた。俊介のくせに。俺は照れ隠しで俊介の頭を軽く叩いておいた。ありがとうの言葉とともに。



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キャラが一人も出ないという…
ちょっとしょっぱなからオリキャラ(俊介)と絡ませすぎた。
ちなみに櫻井俊介と主人公は一緒に住んでます。二人暮らし。


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