臨→静、エロ注意
薬とか玩具とか使ってます。




「規定の三倍盛ってそれって、つくづく化け物だよね、シズちゃんは」
「…る、せっ」

新宿に位置する高級マンションの高層階。無駄なものの余りないシックな雰囲気で飾られたリビングでそれは少々異質であった。ソファー上に膝を立てて寝転がる掠れた金。彼は服など総てを取り払った状態で、肌を桃色に上気させながら眉間にシワを寄せて、色香漂う唸り声を上げている。彼が自らの熱を逃す為に掴んでいるソファーの淵もミシミシと音をあげていた。それを、偉そうな社長椅子に座る黒はパソコンでなにか作業をしながら時折ちらりと見る。そう、みるだけだ。何をしてやるでもない。例え彼が自分の視界の端で悶え、甲高い声を発したとしても、目の前の仕事を優先していた。

「まあでも、効いてはいるみたいだね。いい眺めだよ」
「だ、まれ…っあ!」

臨也が静雄に盛ったのは即効性の媚薬だった。彼の身体の特異性は自らが身を持って知っていたから、盛った量は普通の人間では堪えられない、壊れてしまう程の量だった。それでも彼の身体に表れたのは普通の人間が用量分使った程度の効き目で、臨也は呆れたため息をついた。ただ、普段のガードレールやら標識やらを引っこ抜いたり、自販機を軽々と投げ飛ばしたりする怪力がなりを潜めたのは臨也にとっては大変喜ばしいことだった。

「ノミ、…てめっ、しね!」
「あーあ、まだそんなこと言えるんだ」
「ふっ、やめ、ろ…」
「…じゃあこれは堪えられるかな」

そういうやいなや、臨也はノートパソコンの隣にある小型のリモコンをカチリと弄った。すると静雄の方からブブブという唸るような機械音が強くなる。それは二人しかいないその部屋に反射して部屋中に渡るように響いた。
その機械音の正体は静雄の中にあった。彼の膝を立てて強張る尻の間には、人工的なピンクをしたグロテスクな棒がバイブレーションしながら埋まっていたのだ。臨也は先程、リモコンでその棒の震えをマックスにしたのである。静雄はそれに堪えるようにソファーの淵をさっき以上に、むしり取るように握りしめる。しかし、それにより内側に力が入ったのか、部屋中に響く程の、普段の静雄では考えられない程の甘い、甲高い嬌声を上げた。

「あっ、ああ!や、やめっふあ、うんっいざ…や、たす…っひ」

慣れていないのか、静雄は全身を襲う快感に涙を流す。普段グラサンの下に隠されている瞳が濡れ、肌は桃色に染まり、赤い唇からは甘い喘ぎが流れ、パタパタと頭を振ることで揺れる金。総てが。臨也は思わずコクリと喉を鳴らした。紅い瞳が欲情に揺れる。

「…イきたい?」

臨也はリモコンを握ったまま立ち上がり、静雄の方へ近づくと、彼の寝転ぶソファーの前にあるテーブルのうえに腰掛けた。

「イきたっあ!と…てっ、やだっんあ、とって、んう」

静雄は臨也の問いに縋り付くように答える。腰は快感に揺れ、それはさながら、先走りを垂らす性器を臨也に見せ付けるような腰つきであった。彼の性器は射精防止の為か紐が蝶結びで結ばれいる。臨也は静雄の方へ手を伸ばすと、彼の臍を中心にツツッと腹をなでた。静雄の身体か快感に跳ねる。

「いい気味だよ、シズちゃん」
「うあっ…とめ、と、て…ひんっ」
「…シズちゃんが悪いんだよ」
「んっふぅ、なに…って、んあ!」
「シズちゃんが悪いんだ」

そう繰り返す臨也に、静雄の頭はついていけない。快感に中枢を支配された思考は、深く考える事を放棄する。だから、臨也がいつもとは違う悲しみの色を映した目で俺を見ているのも、口から発せられる言葉が普段のような人を苛立たせる自信が見受けられないのも、何処か遠くのものに思え、普段なら耳についてイライラするはずの声も、意味を持たずただ頭の中を通過するのみだった。自分の開け放たれたままの口から出るのは意味のない母音の羅列で、。普段なら絶対にありえないのに、臨也に自ら助けを求めるように縋っていた。
一方臨也は、静雄のそんな姿をフィルターの向こう側のように見ていた。やわやわと彼の腹を撫でていた手を、ツっと下へずらしていく。そして、そのままその手で彼の限界まで立ち上がった、根元に不釣り合いなほどかわいらしくリボンが結ばれているそれを撫で上げた。

「ひ、あああ!やめっん、イく!イか、せてっ」

臨也は声をあげた静雄を聞き、それを連続的に抜きあげる。ジュッジュッと粘着質な水音が部屋中を満たし、二人の耳を感覚的に犯す。静雄はイきたいのに達せないそのもどかしさと、内に貯まりつづける快感に、理性など何処かにいってしまっていた。ただ本能的に快感を追い、意味のない文字の羅列を吐き出していた。

「おねが、……イ、きたっからあ!っひも、とっああ!ひぁ、ぅ」
「…」

臨也は彼のものを触っていない方の手も彼に伸ばすと、何の前触れもなく彼の快感をせき止めていたそのリボンを解いた。

「ぇ、ひっあああああ!あ あ あ あ」

長い間せき止められていたせいか、精子は勢いよく飛び出た後も断続的にだらだらと尿道から流れていた。達した後も快感が引かないのか、静雄は壊れた機械のように母音を繰り返す。臨也は今だ静雄の中でバイブレーションし続けるグロテスクなそれを、静雄のものを上下に擦ったまま、先程紐を解いた方の手で無遠慮に抜き出した。すると、静雄はもう一度甲高い嬌声をあげて気絶してしまった。彼のものは段々引いてきてはいるものの、今だだらだらと精子を垂れ流し続けている。
臨也はそんな静雄を眺めると、彼の精子のついた手をその赤い舌でぺろりと舐めあげた。

「あーあ、にがい」



熱い首筋に冷たい唇

ああ、シズちゃんが早く、俺だけのものになっちゃえばいいのに。そしたら俺のそばでずっとずっと可愛がってあげるのに。俺ならシズちゃんに壊される事なんてないのに。怖がることなんてないのにね。

臨也は冷静を保ったポーカーフェイスの下でぐるぐると考え事をしながら、まだ熱をもつ彼の首筋にキスを落とした。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -