一人、やに臭いこの部屋のベッドで考える。私の心にぽっかり空いた穴を埋めるのは何なのか。何かなくしたような気がする。そう思うほどに、この隙間は私に言いようもない虚無感を訴える。でも、そのなくしたものを私は思い出すことができないでいた。
忘れている。思い出そうとしても頭の片隅にも引っかからない。それでも私の身体は、心は、確かに違和感を覚えている。隣にあった温もりを確かに覚えている。
どうしようもなく誰かを求めても、一晩限りの温もりは虚しさを助長させるだけだった。言いようもないさみしさを抱きながら、今日も私は一人、この広いベッドの隅で目を閉じる。

深夜

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