使い古された言葉ばかりのありきたりな曲が言うには、絶望を前にして人は明日をつかむ事はできないらしい。
しかし、私が幾ら拒んでも闇は白み始め、知らぬ間に、けれども必ず朝はくる。明日は必ずくるのだ。では希望を失った私に来ないものは何なのか。眠りから冷めて今が夢でない事を認識する瞬間に感じる恐怖や絶望には未だなれる事はない。いっそ寝なければと思っても、今日が昨日に、明日が今日になるのをまざまざと感じるだけで、結局のところ目覚めた後より酷いのだから意味のない話だ。
未来は刻刻と過去にすり替わる。瞼を開いた先にあるのは幸福か絶望か。未来は確実に存在するのに、すぐそこにある筈の未来が私には空っぽに見えた。




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