予兆はあった。でも、ぐるぐると少し、身体を気持ち悪さが駆ける程度でずっと来てたから高を括ってた。なんだかんだでこのままいい方へ転んでいくのではないかと漠然と思っていた。だから、急にガクッと力が抜けて意識が遠くなるのをただぼんやりと感じるしかなかった。くそ、怨むぞ眉毛。
目を開けると、ベッドの中だった。額の上にある生ぬるい布を取り払うと、彼女はその細い手を俺の額に置いた。
「きもちいい」
「そう、じゃあその熱少し私に頂戴」
そのまま認識不可能なほど顔が近づく。
「半分こ。貴方のその熱も、私のこの冷えも、ふたーりで」
「この風邪も」
背負うわ、私も。そういって触れ合った唇は、互いの熱を共有して糸を引いた。
半分こ
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