どんどんがやがや、隣の部屋が騒がしくなった。男と女の怒鳴り声が聞こえる。隣の部屋は確か、魔障が軽度の者を詰め込んだごった部屋だった気がする、と思い浮かべ、一つ納得した。これまでよく持ったものだ、と襖を開けてみれば案の定、よく似た兄弟姉妹共が怒鳴り合いの喧嘩をしていた。
志摩と宝生の不仲は有名で、口を開けば蛇女だ申だ垂れ目ドブスと、まるで小学生のような語彙力の口喧嘩に、蛇、錫杖の応酬と、もはや出張所のある種名物である。

「隊長、止めへんのどすか」
「いらんわ、おとろしい。それに楽しみなんえー、あの喧嘩」

閉鎖的で独特の雰囲気を持つ明陀は、やっぱり見ていて面白い。

「怪我人なのにほんみーようやんなー」


趣味


いらんわ:嫌だよ
おとろしい:めんどくさい
ほんみー:ほんとうにねえ
こんな短い文に、出張所の主人公が奈良県出身の何番隊かの隊長なんて設定を詰め込んでみる。ちなみに明陀ではない。(方言違和感あると思いますごめんなさい)


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