汗の匂いが染み付くここで、赤と黒の縦縞に腕を通してヘッドホンを着ける。コロコロと機械を操作して大好きな歌手のアップテンポな曲を一つ選択。移籍後初めての試合で、正直心臓が外から掴めるのではと錯覚する程緊張してる。こうして音楽を聞くのは、吐きそうな程の緊張ほぐすためにいつもしている事だ。
ガブ君みたいに攻撃に特化しているわけでも、殿君みたいにゲームメイクがうまいわけでもない俺をボランチで、しかもスタメン起用してくれた監督に応えなくちゃいけない。不安の中にある期待を曲に乗せて膨らませていく。
肩を叩かれた先に居るガミさんの唇が時間を告げる。ヘッドホンを外せば、緊張の鼓動は楽しい胸の高鳴りに変わっていた。

音楽

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