はじまり

なんと時期はずれの転校生なのだろう、それが彼の第一印象だった。

中学三年の秋、もう中学生活もほとんど終わりという時に彼は私のクラスにやってきた。

明るくて、スポーツ万能で気さくな彼はあっという間に男女問わずクラスの人気者になった。

その当時の私は彼とあまり話したことはないけど、とても取っつきやすくて人当たりのいい人だな、と好印象を持ったことは記憶に新しい。
もう受験も迫っていたし、人気者の彼とは短い付き合いなのだろう、と必然的にそう思っていた。

思っていたのだが…

「あれ?名字じゃん!卒業式ぶり!!お前もこの高校だったんだ〜」

なんということだろう、意外と再会も早くて高校の入学式で彼とバッタリ会った時、私はこの上なく驚いた。

「名字名前なんて同姓同名もいるんだ〜とか思っていたら、名字で本当にビックリした。あの中学からこの高校なの俺と名字だけみたいだし、またよろしくな!」

太陽よりも眩しい笑顔で私は思わず目をしょぼしょぼとさせてしまいそうになったのは内緒な話。

そんな笑顔が素敵な彼の名前は荻原シゲヒロくん。


このお話は彼の隠された葛藤と…それを乗り越えた彼の強さを語る



そんなお話である。






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