二年後の君たちへ


私たちはまだまだ伸びる。

もっと、もっと上を目指せる。

幸せの青い鳥を探すように…私たちは“夢”を追いかけ走りつづけていたんだ。










― ブルーバード ―







「黄瀬くん、だっけ?入ってきた子。」

最上級生になった四月、私たちのチームにスーパールーキーが入ってきた。
前人未到の全中三連覇を成し遂げた天才集団、帝光中のキセキの世代。そのうちの一人がこの春、海常高校に入学したのだ。

「ああ…まあアクが強そうなやつだ。ありゃ馴染むまで時間かかるぜ。」

私はこの海常男子バスケ部でマネージャーをやっている。
早いものでもう三年生だ。
そして今はキャプテンでもあるこの男…笠松幸男と部室で日誌を書きながら噂のルーキーについて話をしていた。

「一つ二つ年上だから偉いのか、って…聞いてた聞いてた。
早速笠松が蹴り入れた時は吹き出しそうになった。」

やっぱ大物は違うわ、と笑うと笠松は盛大なため息をついていた。

「お前、人事だと思って…」

「チームをまとめるのはキャプテンの仕事でしょ?」

「まあ、そうだけどよ…」

「ファイト。」

話しながらも日誌を書く手は止めない。
今日の反省欄に一日あった出来事をまとめ日誌を書き終えた私はペンを止めた。

「終わったか?」

「うん、待たせたね。ずっと日誌を書いていたし私が部室の鍵を返してこようか?」

「いや、監督に用があるからいいわ。ついでに日誌も出しといてやるよ。」

「ありがとう。」


笠松に日誌を渡す。

「今日は小堀や森山たちと帰るけどお前どうする?」

「んー…せっかくだし、一緒に帰ろうかな?」

「おう、じゃあ玄関にあいつらもいるから一緒に待っててくれ。」

「おっけー」


そうして私たちは部室を出て笠松は職員室へ、私は生徒玄関へ互いの目的地に歩みを進めるのであった。





















【今日の部活の反省】


今日入部した君たちへ

ようこそ海常男子バスケットボール部へ。
私たちは君たちを歓迎します。
そして今日から海常の一員として、伝統の青を背負う仲間としてよろしくお願いします。
辛いこと、楽しいこと色んなことがたくさんありますが私たち先輩はいつでも君たちの味方です。
日本一目指して頑張りましょう!


記入者:三年 名字名前










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