タ ス ケ テ

夢を見た。

誰もいない真っ暗な空間で私と同い年くらいの男の子が泣いている夢。

声をあげるわけでもなく、ただ静かに零れる涙を自分の手で払っている。

燃え盛るような真っ赤な髪、陶器のような白い肌。
ただ純粋に綺麗な男の子だな、と思った。

夢の中の私は男の子に近寄り頭を撫でた。


「泣かないで。」


すると男の子は目を見開いて赤い宝石のような瞳に私を映す。
そして壊れそうなか細い声でこう言った。




「…助けて。」




そこで私の夢は途切れた。



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