闘技場のあれやこれや



※ 物語中盤ぐらいの設定です




むー、と口を尖らせるディーヴァくんに、どうしました、と聞けば、ディーヴァくんは口を尖らせたまま答えようとしなかった。
は、反抗期………!
あまりのショックに打ち震えていると、後ろからぽん、と肩を叩かれる。
振り向けば、居たのはユーリさんとエステルさんで、2人とも首を傾げていた。

「ディーヴァくんが、反抗期なんです」
「おいおい、本当に『母親』になってんぞ」
「だ、だって、」
「依都………」

きゅう、とエステルさんがわたしの手を握り締めた。
あぁ、なんて優しいんだろう。
うう、泣きたい。

「息子、お母さんが泣くぞ」
「え、なんで?! お母さん、どうしたの?」
「ディーヴァくん、反抗期、ですか………?」
「はんこーき? よくわかんないけど、違うよ。お母さん、これ見て」

そう言って差し出してきたのはさっきまでディーヴァくんが見ていた紙だった。
え、えと、

「闘技場のミッション表、です?」
「そう。見て、ここ! ココ!」

びしっとディーヴァくんが指差したけれど、まだこの世界の文字が読めないわたしは首を傾げて、ユーリさんとエステルさんの反応を待った。

「クラトスとロイドのミッションがどうかしたのか?」
「………親子鷹」
「はい?」
「だ、か、ら、『親子』鷹!」

むっすー、とむくれたディーヴァくんは、そこから怒り出した。

「なんで俺とじゃないの!」
「知るかよ、ンなこと」
「お母さんは何とも思わないの?」
「え? えぇ、まぁ」
「なんで」

え、なんでって。
なんでって言われても、え、だって、

「別にクラトスさんとわたしが何ってわけじゃありませんし、」
「む、」
「………じゃあ、ディーヴァ、受付嬢さんにお願いしてみたらどうです?」
「!」

え、お願い………?
エステルさんの言葉に首を傾げたのはわたしとディーヴァくんで、ユーリさんは顔に手を当てて何やら悩んでいた。

「あー、待て。待て、エステル」
「え、どうしてです、ユーリ」
「いやだからな、」
「そうだよね、無いなら作れば良いんだよね! お母さん、行こ!!」
「え??」

い、行くって、闘技場に?
えええ?
ぐいっとディーヴァくんに腕を引かれて歩き出す。
ぽかんと目を見開いて呆然とユーリさんとエステルさんを見てると、ユーリさんはそれはそれは深いため息を吐いた。




   □■□




「だああああ、勝てねぇ!!!」
「ロイド? どうしたんだよ、騒いだりして」
「闘技場の新ミッションが全く勝てない」
「………新ミッション、」
「ディーヴァと依都とクラトスの『偽親子』」
「やっぱりそれか」
「???」
「いや、今回ばかりは尻拭い出来なくて悪かったな」
「なに言ってるんだ、ユーリ」
「あぁ、だから、悪かった」
「?????」

やっちまったなぁ、と小さく呟いた声は誰にも聞こえなかった。




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チーム『偽親子』
 └ディーヴァ(聖騎士)/依都/クラトス

依都をターゲットに据えると、ディーヴァ、クラトスが連続して秘奥義を使ってくる鬼畜チーム希望。



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