『君と手を繋いで』番外編
「過保護な彼らのセリフ」title by 確かに恋だった様

1.俺の目の届く範囲にいてくれ
2.どれだけ心配したと思ってる
3.こういう時は俺に頼れと言っただろう!
4.俺を困らせたいとしか思えないな
5.この先もお前から目が離せそうにない

のランダム5種となっています












久々に船を降りた。
だからとてもはしゃいでいたのかもしれない。
一緒に来たはずなのに、気が付けば1人。
あぁ、どうしよう。これじゃあ、迷子だ。
いやでもわたしの方が年上なんだから、あの子が迷子かな。
どうしよう、どうしよう。
久々に1人になる感覚。隣が寂しく感じるのは致し方ないのかもしれない。
市井できょろきょろとあたりを見渡して、そんなに身長の高くないあの子を探す。
目映いばかりの金髪を見つけ、ぱたぱたと彼の傍へ走った。

「カイルくん!」

後ろから抱き付く勢いで傍へ駆け寄れば、は、と短いため息を吐かれる。
いつもの表情が珍しく険しく変わっていて、ぱちぱちと目を瞬かせた。

「どれだけ心配したと思ってるの!」

すとん、と。
身体に響いて落ちていった低い声に、かぁ、と頬が赤くなる。
心配、心配………。
う、あれ、これじゃあまるでわたしが迷子?!

「はい、姉さん。行こう」
「う、うん」

差し出された手に手を重ねて、今日の目的の買い出しへと足を向けた。




(カイルくんの手、ちゃんと男の子だね)
(? それ、どういうこと、姉さん)







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