※どう見てもエンディング。時オカ世代で大分先の未来の話なんで蛇足編から直接続いてるわけではないです。嫌な予感がしたらブラウザバックを推奨いたします。



 荘厳なる神殿の中に足を踏み入れたひとりの少年は、台座に突き刺さった美しい剣を前に立ち尽くした。
 磨かれた刀身の輝きに魅入られたように、目を見開いて食い入るように剣を見つめる少年に、相棒である妖精は不思議そうに身体の光をちかちかと瞬かせる。
「リンク、どうしたの?」
「分からない……」
 剣に目を向けたまま呟いた少年の頬を、一筋の涙が伝う。
「……リンク? 泣いてるの?」
 少年がこんな風に涙を流す姿を見たことがない妖精は、戸惑ったようにふらふらと頭上を飛び回る。
「自分でも分からないけど、涙が止まらないんだ……」
 そう言いつつも、少年は自分の中から湧き上がる感情の名を知っていた。
 歓喜だ。
 狂気染みた強すぎる喜びが、涙という形に表れ、静かに零れ落ちてく。
 心が、魂が叫んでいる。

 気付けば少年は、その剣に向かって微笑んでいた。

「また会えた」

 悠久の刻を越えた絆は、ここから再び紡がれて行く……。



12/03/25


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