その後、淡々と自己紹介が続いた。幸村様の膝の上に座らせられながら。もう本当何この状況。

「あーっと…、俺はジャッカル桑原だ」
「あ、珈琲まm…桑原くんね。うんよろしく!」
「…今、完全に珈琲豆って言っただろ……」
「はい、次どうぞー」
「……」

フッ…ごめんね、桑原くんこと珈琲豆くん…今の私はそれどころじゃないからね!うん!
細かいことは無視させてもらう!じゃないと…沙織ちゃんルートの続きができないからね!
皆さんお忘れだろうと思いますが…私はゲームがしたいんです!!そして、早く沙織ちゃんをもう一回クリアして、CGを全部集めて癒されるんだ!
全く…さっきガム少年に邪魔されてなかったら、今頃…今夜のオカズが可愛い沙織ちゃんが……ぐへへへへへ。

「こらこら、蜜柑?涎が垂れてるよ?」
「あ、いけねっ、ついつい口が緩んでしまった…」
「蜜柑が変態過ぎるからブン太が怯えてるだろう?」

そう言うと、幸村様は仁王くんの後ろに隠れた少年を指差す。その子はビクッと大きく体を震わせる。
ん…?どうしたんだろう?お腹でも下したのかな?

「どうしたんじゃ、ブンちゃん?」

ブンちゃんと呼ばれる少年はブルブルと体を震わせながら、チラチラと此方を見てくる。
んん?こいつ…どっかで見たような…??

「ブン太?…なんだ、こいつがあまりにも変態だから怖がってんのか?」
「桑原くん……あなたって意外に毒舌、というか根の持つタイプでしょ?」
「……だ、だ、だいじょう…」
「まぁまぁ、落ち着きんしゃい。ガムあげるから」
「!!」

仁王くんはその子を宥めるべく何処からかガムを取り出した。その行動が私のあの嫌な記憶を思い出させるのに十分だった。
ガム…そしてあの声とあの髪の色…まさにあいつは……――!

ガム少年んんん!!!沙織ちゃんの仇ぃいいい!!!
「ヒッ!!!!」

ガム少年が怯えた。周りの部員が驚いた。でも、今の私には関係ない。私の沙織ちゃんを…沙織ちゃんを……返せええええええええええ!
私はガム少年目掛けて走り出す。今度は絶対に逃がさない!!仕留めてやる!!!

「ぎゃあああああ!た、助けろジャッカル!」
「お、俺かよ!?」
「だ、誰か!蜜柑を抑えんしゃい!」
「はい、シャラーップ
グハッ!

「「「流石、幸村(くん)!!」」」

ハハハ…いい拳してやがるぜ…流石幸村様…。
私のお腹にクリティカルヒット☆


<<back>>

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -