「皆、俺の蜜柑に自己紹介していこうか!」

私はいつから幸村様のモノになったのかとても気になるところだけど、きっと私の生命が宿った時、いやむしろ前世からそうなっていたに違いない。
なんてもやもや考えいたら自己紹介が始まっていく。幸村様は後ろになっていた男性を呼びかけた。

「俺は真田弦一郎だ!まだお前の事は認められんが…幸村が言うからには入部を許可しよう!」
「は、はぁ…」

それはもう威厳を持って私に言い放ったその人は、その出で立ちからきっと幸村様のおt…

「ちなみに、彼はここテニス部の部員で、中学二年生だ」
「む、何故そんな説明が…「マジでかあああああ!?」
「こうなるからだよ」
「ま、まさかの部員さん!?老けすぎでしょ!?私はて、て、てっきり…幸村様のお父様かと!?

私がそれを言った瞬間だった。突然私の首に強い衝撃が走る。そして、私の体は宙に浮いていて、目の前には幸村様の怖い黒い顔がだけが視界に入る。
く、苦しい…、し、し、しし、死ぬ…!

「今なんつった?」
「い、いえ……な、何も言ってません!だ、だから……はな、して…下さい…!」

じゃないと、死ぬ!確実に!!窒息死する!!!く、るしい…ぃ…!!
グイッと幸村様の顔が近づく。あ、綺麗な顔だな…死に際にこんな綺麗な顔見れたら本望かもしれないなぁ…(暢気)

「どうしてそう思ったんだい?」

幸村様の笑顔と声色は優しいものの、その優しさは私の首を締める手までに及んでいないのか、というか、力を緩める処か締める力をどんどんきつくしてるようにも感じる。

「ぅぐ……え、と…いつも一緒にいたので…その、親子かと…」

全然似てないから、幸村様お母さん似なのかなぁって思ってました!!
私は出ない声を無理矢理振り絞って言えば、幸村様はふーんと納得した様子でゆっくりと私の体を降ろし、首を締める手も離してくれた。
セーフ…!生きてる!私生きてる!まだ沙織ちゃんルート終わらせないまま死ぬかと思った!よかった!
私が生きてることの喜びを味わってる間に幸村様は真田くんに近づく。にこりと綺麗な笑顔を向けて…――

「む、なんだ?幸村?」
「今後一切、俺に話しかけるな。あと100qくらい俺に離れろ」
「ゆ、幸村?!」
さっさと出ろや。加齢臭が移るだろ

幸村様は真田くんにそう言い放つと途端に真田くんの断末魔が部室に響き渡った。って、あれれー?さっきまで目の前に居た真田くんがいないぞー?ま、いっかー!

「よし!自己紹介続けようか!」

幸村様の笑顔が輝いていた。

「「「はーい」」」

周りの皆の笑顔も輝いていた。うん、皆酷いのであった。
もう気にしなーい♪
 


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