「もうなんなのあの眼鏡!」
「いきなり突進するとか、常識無さすぎ!」
「…」
道路の邪魔になってる君たちの方が常識ないって気づいたほうがいいと思うけど?まぁ、面倒な事になるから黙っておくけどね。
そんな事より、さっきの子…凄く面白いね。俺たちに見向きもせず、あの女子の群れ突っ込むなんて並大抵の子じゃないね。この学校にもあんな面白い子が居たんだね。
「ねぇ、柳」
俺は群れの女子たちに聞こえない程度に小声で柳に問いかけた。
「どうした?幸村」
「あの子は誰なんだい?」
「あいつは確か…「真田には聞いてないんだけど?(黒笑)」…すまん」
「あいつは確か…藤堂蜜柑ではなかったか…?」
「へぇー…」
「?」
「名前しかわからないの?」
「す、すまんっ…名前しか…」
「ッチ、役立たずが…。真田、何か知ってそうだね」
「うむ。あいつは生徒から"格好だけは学校1地味"と呼ばれている」
「ふーん」
「?」
「なんで格好だけって呼ばれてるの?」
「!?す、すまないが、俺にも…」
「フフッ本当役立たずだね!」
まぁ、いいや。これから調べていく方が楽しいと思うし…ね、フフ。俺はこれからのお楽しみに自然と顔が綻ぶ。
もし人材として良かったらマネージャーにでもしてみようかな?
「「……」」
真田と柳は思った。藤堂蜜柑、ご愁傷様…っ!
平凡な日常、終了のお知らせ。
(ぶぇっくしょん!)(ハハッ!色気ねぇ嚔だなっ)(誰かが私の噂をしてる、なんて罪な女…)(ハハハッ!試合近いから風邪移すなよ勘違い女!)(真二も酷かった)
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