香穂の毒舌から逃げるべく、私はもう一人幼馴染がいるであろうH組に向かう。私のクラスはD組だから4クラスも向こうなわけでとても長い。どんだけ生徒いるんだよ。少子化じゃないのか。全く、最後のクラスがH組なだけに親たちはあんあんしまくりですかコノヤロー。
早く行かないと4限目が始まってしまう。次の授業は理科で移動教室だった。し、坂井の授業だからゲームしまくれる。早く弁当貰って沙織ちゃんルートの続きをしなければ!
いつもなら真二の方から私の教室に着て届けてくれるんだけど。私H組まで行きたくないんだよねー。その理由はと言うと…。

「「「きゃーっ!///」」」

H組の途中必ずある、この女子の群れが嫌なんだ。全く、声優でもいるんじゃないかってくらいの行列だぜ…。声優だったら喜んで中に入るけどね。
この女子たちが集ってるっていうのが私にとって本当にどうでもいい存在。F組にいる男子テニス部の部員らしい。名前までは覚えてないけど。
もう兎に角邪魔。通路の邪魔。お城の防壁みたいになってるんだよ。ぎゅーぎゅーになりながら行かにゃならんのが溜まったもんじゃない。
まぁ、気にせず通るけどね??

「はいはーい退いたー退いたー」
「きゃっ」
「わっ」
「ぃやんっ」

今「ぃやん」つったよ!?何それ可愛い。顔ばっちし覚えたから後でじっくり見てこよう。
私はノアの方舟に出てくるお話で海を分裂させたみたいに女子の群れの間を通る。これ少し気持ちいいかもしれない。視線が痛いのは無しにして。今「何あのブス」「まじふざけんな」っていう言葉は無しにして。別に気にしないけどね☆もう聞きなれたよ☆

女子たちの熱〜い視線を無視して目的地のH組に向かうべく、足を進める。
―――…この時、群れの中心になっていたテニス部の視線にも気づかずに。

 


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