どっちかって言うとマイナーなこの部活は部員数も少なくて、みんな趣味も性格もバラバラだけどただ1つ言えることはここにいる人たちはみんな星が大好きってことなんだ。
放課後。 長い渡り廊下を渡って、4階への階段を上ってすぐのとこにある「星座観察部」部室。バラバラに並んだ机と椅子、それにレンズが割れかけの望遠鏡、淡いブルーのカーテン。いつもと変わらないはずの部室の窓は開いて、揺れるカーテンの隣に知らない後ろ姿があった
「だ、れですか?」
その黒髪の人に声をかけると振り向いた整った顔立ち。その顔がポカンと驚き、眉をひそめた
「あれ、レギュラスに聞いてない?俺のこと」
私が首を振ると彼は、はーぁとため息をつきながら髪の毛をかきあげた。それがあまりにかっこよくて見とれていたら突然隣から少々息の荒いレギュラスの声が聞こえた。ここまで走ってきたのだろうか
「兄さん。部員でもないんだから勝手にここに来ないでください」 「残念!俺さっき入部届け出してきたから」 「困ります」 「それよりお前、なんでシャンプーちゃんに俺のこと話してなかったんだよ!」
え、何?勝手に話を進めないでほしいんだけど!
「レギュラスにお兄さんなんていたの!?知らなかった」 「えぇ。教えなかったし、知られたくありませんでしたから」
頭を抱えながらちょっと微笑んだレギュラスと得意げに笑うレギュラスのお兄さん。 確かに。雰囲気は違うものの、うん。似ている
「俺はシリウス。俺と付き合おうぜ!」 「えっ」 「ダメです」 「なんでお前が答えるんだよ。俺はシャンプーちゃんに聞いてんの!」
なんなんだこの人。軽い、軽すぎる
「はぁ。だから会わせたくなかったんですよ兄さんとは」 「何で?お前もしかしてシャンプーちゃんのこと好きな「ち、違いますよ!ただそういうのじゃなくて、あの、それよりも追試の勉強はしたんですか?赤点とったらまた留年ですよ」 「そしたらシャンプーちゃんと同級生だな!」
なんて言って無邪気に笑うシリウス…(さん?)とレギュラスとの共通点を私は無意識のうちに探してしまっていた。 (鼻と耳は、レギュラスと一緒だ。睫毛はレギュラスの方が長いな) でも留年て…頭の差は大きいみたい。
「もういいです。シャンプー先輩、兄さんがいるとうるさいから屋上に行きましょう」
レギュラスにグッと手首を掴まれて引っ張られるように屋上への階段を登る
「いいの?お兄さんは」
レギュラスはむっとしたように「いいんです」って言って私を握る手に力を込めたからなんだか可愛くて笑ってしまった。
屋上に出ると、空はカラッと晴れていて気持ちのいい風が吹いている。 "星座観察"部っていうだけに屋上も部室のうちっていう特権を知って私はこの部活に入部した きっと多分、レギュラスも同じ理由だと思うけどこの際だから聞いてみよう
「レギュラスはさ、何でこの部活に入ろうと思ったの?」 「そうですね、シャンプー先輩がいたからですかね」
全く予想もしてなかった答えに呆気にとられる私。
「ククッ。なんて言うと思いました?」
は?何だコイツ!! 一気に顔が熱くなったのが分かる。絶対今私顔真っ赤! そんな私を見てレギュラスはひとしきり笑った後、急に真面目な顔になった
「星、ですかね」 「星?」 「僕の名前、星から取ったって母さんに聞きました」 「へぇ、素敵だね」
今度、どれがレギュラスの星か教えてねって言ったら、「このまま夜になるまでこうしてましょう」って言って手を握ってきたレギュラスの心情を私はまだ読むことができないけど、レギュラスも私とおんなじくらいドキドキしてたらいいな。
真昼の天体観測
「俺の名前も星から取ったらしいぜ」 「いいよね〜そうゆうの。ロマンチック」 「俺たちも子どもができたら星の名前付けようぜ」 「いいわね!素敵!」
(…って言う夢を見ました全部兄さんのせいです死んでください) (え!?俺のせい!?)
シリウス…3年(留年) シャンプー…2年 レギュラス…1年 の設定です シリウスが残念/(^o^)\
→次からボツ作へ飛べます。よかったらどうぞ。ちなみにキャラは鳴門の飛段です
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