box | ナノ
真夏の暑さには弱いです



「ねーセブ、海行きたい海行きたい海行きたーい!!」
「うざいから駄々をこねるな。何だよ海とかバカか。ここはホグワーツだぞバカか。」
「う〜ん…じゃぁさ、海ごっこしようよ!」
「…はぁ?」


何で僕がこんなことに付き合わされなきゃいけないんだ。
湖に魔法で波を作って、近くにパラソルさして、2人で体育座りしてるってバカだろ
周りの奴らの視線が痛い。なのになんでこいつはこんなに呑気なんだ
日焼け止め塗ってるとかお前バカだろ
って言ったら、これ見よがしに靴下焼けを見せられた。

「見てよこれ!こんなくっきり焼けちゃうなんてな〜てかセブは日に焼けないの?」
「あまり外に出ないからな」
「だよね。だって日焼けして真っ黒なセブとか汗だくだくの汗臭いセブとか想像できないもん。どっちかって言うといつも青白くってじめじめべとべとしてて、」
「分かったから黙れ」


「ねぇちょっとさ、」
ボサボサの長い髪を頭のてっぺんにくしゃくしゃに結わえて立ち上がると僕に泳ごうよ!って言いながら手を差し伸べるシャンプーの顔が眩しくて見えない。
思わず目を細めると無理やり手首を掴まれた

「泳ぐとかバカか。ここは湖だぞ海じゃないし第一制服だ。それに今は昼休みだ少しは周りの目を気にしろバカ」
「大丈夫だよ!みず"うみ"だし制服は防水呪文使えばいいし周りの目なんてバカになっちゃえば気にならない!それっ」
「っぶバカ水をかけるな!」
「そうゆうセブだって!」


バシャバシャバシャバシャ…


「ねぇ、今鳴ってるチャイムって予鈴だよね?」



残念!授業開始のチャイムです。




「本令だバカ!」
「あ!私たち防水呪文するの忘れてたね」
「お前のバカが僕にまで移ったみたいだ」








- 9 -


[*前] | [次#]



- ナノ -