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ろくぶてに嫉妬




「僕と会うときはマフラーと手袋はしてこないでね。あ、耳当ても禁止だよ」


そう言ってニコッと微笑むリーマス。彼は私に風邪を引けというんでしょうか




「はっくしゅん!ぶえー寒い」

言われた通り手袋もマフラーも耳当てもしないでこの12月の街中でリーマスを待つ
コートの襟をたてて、はぁってやる息はもう白くならない。
こんな寒い中コート一枚で震えてる私は周りの子たちからバカな女と思われてるんだろうな



「メリークリスマス」


「ごめんね、待たせて」って少しも謝罪の気持ちがこもってないような声でハハハって笑う彼は手袋にマフラーと非常に暖かそうな格好だ。
私はわざとリーマスに思いっきりくしゃみをぶっかけてやった。



「君に手袋しないでって言った理由知りたい?」

「当たり前じゃない」

「君の冷たい手を、僕が温めたかったからだよ。」



マフラーも手袋も外しながら笑う彼はやっぱりずるいよ

私のために温もりをとっておいてくれたんだね


「あったかい」



20101225






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