どっちかって言うとマイナーなこの部活は部員数も少なくて、みんな趣味も性格もバラバラだけどただ1つ言えることはここにいる人たちはみんな星が大好きってことなんだ。
長い渡り廊下を渡って、4階への階段を上ってすぐのとこにある「星座観察部」部室。 幼なじみのデイダラもいるし、なんとなく流れ星が見たいなんてくだらない理由で入った星座観察部。 カッコイイ友達がいるんだ、なんて笑って言うデイダラに紹介されたその人は本当にかっこよかった。 男らしい筋肉質な体に不釣り合いな白い肌と薄い桃色の瞳、キレーな銀髪のオールバックに子供みたいに幼くなる笑顔。
一目惚れだった
後々、私より1つ上だと知ったのは別の話で。要するに留年ってやつだ(デイダラにそんな友達がいるなんて知らなかった) この人がこの部活にいたから入ったっていうのもまた理由かな…。
今日はすごくいい天気。2日続いた雨の後だからかな、空気が澄んでる気がする。 デイダラはお腹が痛いとか言って3時間目に早退したけど絶対仮病だアイツ。斜め前のデイダラの席を睨んだら、6時間目はいいやサボっちゃおうって気になって私は屋上に行くことにした。 "星座観察"部っていうだけに屋上も部室のうちなんだよ凄いでしょ! あそこならまだ誰もいないはずだから1人でゆっくりできる。そう思っていたものだから、屋上のドアを開けた瞬間に目に入った銀髪の後ろ姿には本当にビックリした
「よぉ。」
気怠そうに振り向いた飛段くんが眩しい 「なんだァシャンプーちゃんもサボリィ?」 「まぁちょっと。飛段くん、煙草でも吸ってるのかと思った」 「オレってそんなイメージ?」 「うん」
そっかァなんて言いながら笑う飛段くんはやっぱり素敵だ。落ち込むのかと思ってたらニコニコ笑って。 いつもはデイダラがいるから、こんな風に2人きりなのは初めてだっていうのに不思議と落ち着けるのは飛段くんが出す独特の雰囲気からかな。
「今日、いい天気だね」
私がそう言うと飛段くんは急に真面目な顔になって、
「星、見ねぇ?」
って言って、そのあと急いで「今夜すげぇ流星群見えるらしーぜ」って付け足した。 なんだか意味がよく分からなかったけど、飛段くんが私に何かを誘ってくれたことがどうしようもなく嬉しくて夢中で首を縦に振った。
6時間目終了のチャイムが遥か遠くに聞こえた
真っ暗な道を飛段くんが運転する自転車の後ろに乗って進む 初めのうちは怖くて、飛段くんの腰に回す手に力を込めたら私の「怖い」のサインに気づいたのか自転車のスピードを緩めてくれた 自転車はひどく錆びついてたから飛段くんがペダルを踏むたびにガシャガシャ音がしたけど私はなんだかその音が心地よかったんだ 今、この真っ暗な夜の世界にいるのは私たちだけみたいな気がして。 自転車のブレーキが静かな夜の空気の中に、キキーッと大きく響いた
2人で並んで河原に腰かける (そういや、なに話せばいいんだろう…) 沈黙が怖いのと、急に鳴り出した心臓の音をかき消すためにした、くだらない質問。
「飛段くんはさ、なんで星座観察部に入ろうと思ったの?」 「星が好き、だからかなァー」 「それだけ?」 「なんか文句あるか」 「ううん。私も同じような理由だから」
…また沈黙 次はなにを話せばいい? 脳みそをフル回転させてる私をよそに、飛段くんが「あ!」って叫んで空を指さした
「あ、流れ星」 「キレーだなァ」
もう流星群が始まったみたい。あっちで流れ星。こっちでも流れ星
「デイダラたちも来れば良かったのにね」
飛段くんと2人きりになれることが嬉しい反面、ちょっと気まずさを感じた私はこの場にデイダラたちがいないことをちょっとだけ恨んだ。デイダラもサソリもイタチもみんな、今夜は用事があるなんて言ってたけど絶対嘘だ。 ふと隣を見ると、お祈りするみたいに手組んで目を閉じてる飛段くん。 その横顔が本当に綺麗で、夜空がこのままさらっていっちゃうんじゃないかって思った
やっと目を開けた飛段くんに「なに願い事したの?」って聞いたら、目を細めてニィーっといたずらっ子みたいに笑って突然顔を近づけて私の耳元で囁いた
「シャンプーちゃんが、オレのこと好きになってくれますよーに」
顔が、体が一気に熱くなるのが分かった。
私を見つめる飛段くんの瞳は星の光が反射してキラキラしている。
「…バカだなぁ。そんなの流れ星にお願いするとっくの昔から叶ってるよ」って言った私の声は飛段君に届いたかな
「旦那ぁ…飛段とシャンプー、上手くいったかな〜、うん」 「大丈夫だろ。アイツら見てるとイライラしてたんだよ。これでくっつきゃせーせーすらぁ」 「あーいいなー!俺も青春したい!」 「黙りなさいペイン」
あとがき イメージソングは「君の知らない物語」です なんだかダラダラ長いし意味不明なのでボツ。 デイダラ達は初めから飛段とヒロインをくっつける作戦だったという設定。 長くなりましたがここまで読んで下さったシャンプー様、ありがとうございました(^O^)
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