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愛の告白?なめんなよ



昨日私はシリウスとキスをした
いや、正確にはキスされた

私たちは付き合ってもないし特別仲が良いわけでもない
深夜1時くらい。
誰もいない談話室で、ずっと後回しにしてた魔法史のレポートを書いてたらペタペタという足音と共にシリウスが男子寮から降りてきて、私はただびっくりした

「ど、どうしたの?」
「…眠れねぇんだ」

普段より低く小さい声でボソッとそう言うと、冷蔵庫から水を出してゴクゴクと飲みだす
上下する喉仏を伝わって滴る水がボタボタと談話室の絨毯に染みを作っている

「なぁ、」

豪快な飲みっぷりにいつの間にか見とれていた私は耳に吹きかかる、シリウスの声にならない息で我に返った
すごく、熱い
シリウスの息が熱いのか私の耳が熱いのか分からない。
横を向いたら目が合いそうで、私は前を向いたまま。
今度はしっかりした声でシリウスが言った。

「なぁシャンプー、」
「近いよ、シリウ…」

スを言う前に塞がれた唇は、すごくすごく熱くて一瞬で、唇を離すとすぐにシリウスはバタバタと男子寮の階段を登って行ってしまった
あっという間に。
まだ熱の残った自分の唇をなぞりながら、そう言えばキスしたとき2人共目開けたままだったなってぼんやり思い出して笑ってしまった
なんだか目が冴えた
心臓がうるさいし、体が変に熱いから絶対眠れない
体が冷めるまでレポートの続きでもやるか。




………



…ヤバい
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!

昨日俺はシャンプーにキスをした
寝る間際にジェームズが「シャンプーは今夜徹夜でレポートやるみたいだよ。彼女にしては珍しいね徹夜なんて!親友、告白するなら今夜がチャンスだよ!」とか言うからどうしようか迷って迷って眠れなくて、体が勝手に談話室の方に向かってて…。
ほんとに談話室にはアイツ1人だった。
何故か体が熱くて、落ち着こうと水を飲んでからちゃんと口で言うつもりだった。なのに俺は…
自分で自分の行動に驚いて、キスのとき目を閉じるどころじゃなかった
嫌だっただろうなシャンプー。今日からどんな面して会えばいいんだ
でもいつまでも部屋に籠もってても仕方ない
今は朝飯の時間だ。
シャンプーも多分みんなと大広間にいるだろう
腹をくくってドアを開け階段を降りようと下を見ると。

「シャンプー」
「おはよう、シリウス」

なんで?朝飯は?
あぁそうか怒ってるんだ
謝らなきゃ…なんて謝ればいいんだ…とかいろいろ考えて頭を抱えているとシャンプーが先に口を開いた

「私、嬉しかったよ」

俺を見上げてそう言うシャンプーを抱き締めたくてどうしようもなくなって一気に階段を駆け下りてシャンプーを抱き締めてキスをした
今度はちゃんと目を閉じて。


愛の告白?なめんなよ




(シャンプーとは上手くいったみたいだねパッドフット)
(なっなんで知ってんだよ)
(親友の顔を見ればそれくらい分かるさ)




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