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憂鬱な昼下がりを君と



「ははは!それ可笑しー!でその後どうなったの?」


マゼンタのマニキュアと白い肌のコントラストが眩しい。
アイボリー色のコーヒーマグを弄っているその指がなんかエロい、なんて口に出してしまったのならどんな恐ろしい仕打ちに合うか考えただけで身震いがして思わず目を離した。

「ね、聞いてる?」

再び上げた顔を彼女の方に向けてみると、ふわりと微笑んだリップグロスが眩しい。

「ねーシリウス、私新しいバッグが欲しいんだけど…ほら、あの新作の、」

ああ、コイツは気づいている。
マグの取っ手に人差し指を絡ませてニヤリと口角を上げたその顔で俺を見るな。
目を逸らした先に揺れる彼女の髪の毛が狡い。
あれ、そういや

「俺がこの前買ってやったピアス、付けねーの?」

あれから一度もシャンプーがそれを付けてるのを見たことねーんだけど。

「あ!そうそう、新しいピアスも欲しいの」
「は!?お前いい加減に




いい加減にマグを弄るのをやめてくれ!









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