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タイムイズマネーとはこのことか



生ぬるい春風が腕に絡みつく。今日は半袖のワイシャツを着てきて正解だと思った。
さっきまで同じ高さにいたシャンプーは、いつの間にかごろんと横になっている。本当にいつの間に靴下なんて脱いだんだ。
いつの間に僕のネクタイまでほどいたんだ。いつの間に。


「ねぇ、私のこといつから好きだった?」

顔が、近い。そう言ったらシャンプーは笑った
覗いた白い歯が陽の光に反射して眩しい。
僕はそっと、今度は僕のワイシャツのボタンにかけられた彼女の手を除けながら溜め息をついた


「君が僕を好きだと言ってくれた3日前くらいからかな」

「え、嘘〜」

眉毛と口をへの字に曲げたかと思うといきなり立ち上がって、あろう事か僕の脇腹を蹴った

「ぐふっ…ちょ、いきなり何すんだよ!」

「私よりドラコの方がドラコのこと想ってた時間が長いなんて認めない!」

「…なんか気持ち悪い文章になってないか」

「…なってないわよ!と、とにかくドラコの方が先に私のこと好きだったって言いなさいよ!」




いつから好きだったかなんて分からないよ
僕も自分でも分からないうちに君に惹かれていたから







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