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彼は知らない。



分かってる。そんなこと分かってるけど、やっぱり苦しい


廊下ですれ違ったり、談話室にいるときなどによく目が合う。と言うのは僕の勝手な妄想なのかそれとも単に僕が彼女の方を見過ぎているのか。
多分後者の方だろうが、僕は同じ寮のあの子に声をかけようとかデートに誘おうとかは思わない

いくらアピールしたって僕のその恋は報われるはずがないから
僕は知っている

彼女の好きな人を。
その人が僕ではないことを。



「なぁリーマス、シンプソンって可愛いよなぁ。彼女いつもお
「ごめん、シリウス。今はちょっと聞きたくない」



彼をもてはやしている女の子達の中に、あの子がいるのを知ってしまった





え、ちょ…リーマスどうしたんだろう。彼女いつもお前のことばっか見てるぞ!だから俺彼女狙ってたけど諦めるわ
って言おうとしたんだけどまぁいっか









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