「はあっ!」

「…駄目か。」



カオスとしての練習が終わり、俺とガゼルは新しい合体シュート技の練習に励んでいた。
しかし、なかなかうまくはいかなかった。さすが今まで全てが相対してきた仲だけあり、こう、なんつーの?……一致団結??ともかく息をぴったりに合わせて必殺技決めるってのはどうにも難しい。



「バーン様ガゼル様!居残り練習ご苦労様です!!」

「ハイト?」



げぇ……。



「新しいタオル持って来ましたよー!」

「ああ、すまない。」

「……。」



遠慮するのもなんか申し訳ないような気がして、ハイトが何か仕掛けて来ないうちに素早くタオルを受け取り、額から流れる汗を拭った。



「調子はどうですか?」

「全然、まだまだ改善点だらけだよ。」

「そうですか…頑張ってくださいね!!」



そこまで言うと、ハイトは急に一点を見つめて固まった。

視線の先は勿論俺なわけで…。






「……んだよ。」

「イヤ、ソレ、ホシイナ〜ッテ。」



カタカタと人形のように動いてハイトが指差したのは、俺が汗を拭いたタオル。



「ア、ワタシ洗ッテオキマスヨ?」

「自分でやるからっ!!」

「いえいえ遠慮なんかいいですから!!バーン様キャプテンですし!?こーゆーのは下っぱである私が!?」

「いいつってんだろ!!」

「よこせ!!」

「断る!!」



いよいよ掴み合いになったので、俺はハイトの頭上に鉄拳をおみまいしてやった。



「ぎゃあっ!?」



横を見れば、すでにガゼルの姿はなく、人工芝の練習場には、息を切らした俺と、座り込んで頭をさする変態女がいるだけだった。







あなたがくれた痛みなら


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