朝、俺は何だか妙な気配を感じて目を覚ました。
目蓋をあけると、そこには…
「あ、おはよーございますバーン様!」
「うおおぉっ!!?」
ハイトの顔が超至近距離にあり、俺は即座に体を回転させてその場から退き、ベッドから転落してしまった。
「いってぇ…。」
「あ、わ、大丈夫ですか!?」
心配そうにこっちを見るハイト。ったく、誰のせいだっての。
「何しに来やがった!」
「もち、バーン様へのモーニングコール!あとですね〜……じゃん☆」
「は?」
ハイトが鼻高に俺に見せてきたのは、自身の携帯。
「可愛いぃ〜!もうヨダレとか舐めとりたいぐらい!!」
「な…」
その画面にでかでかと表示されてたのは、実に無防備な俺の寝顔だった。
「消せ!!」
「嫌だ!!」
必死に携帯を俺から守ろうとするハイト。
俺はハイトが女ということもお構い無しにハイトの首を床に押し付け、何とか携帯を奪い取ろうと手を伸ばす。
「このヤロっ…!!ハイト!その携帯よこせ!!」
「やだ!待ち受けにするんだ!!」
「やめろ!!」
「いだだだだだだ!!!」
ハイトの背中を潰す勢いで膝に体重をかける。
あ、と、少しでっ……!!
「はっ!?ていうか今私バーン様に踏まれとる!!きゃー!!もっと力込め……あれ、何で退いちゃったんですか?」
何でお前の上から退いたかだと?お前の発言に"引いた"からだ変態!!別に上手いこと言ったつもりはねーよ!!!
「写真、いいんですか?」
駄目だ、ハイトの奴、俺が今携帯を取りにかかったら確実にセクハラするつもりだ。
「バーン様バーン様〜。」
「…んだよ」
「お着替え手伝います!!」
「寄るな迫るなカメラ向けんなぁ!!」
「えー」
「出てけ!!」
先が思いやられる朝
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