お昼休みということに気付いた私は、先にザゴメル君達を購買へと向かわせた。

この時間帯の購買は正に戦場で、私は実は弁当組なのだが、購買のイチゴみるくメロンパンが大好きなのだ。
それはもう週一で食べても飽きないほど……ということで、毎週月曜日には必ず購買へと出陣している。

でも結構アレ競争率激しいんだよな…いや、きっとゲボー君あたりがなんとかしてくれるだろう。



そう思い、私は改めて掲示板の周りに集まる人をかき分け、掲示板に載った成績上位者に一通り目を通した。


ちょこちょこと入れ替わってはいるものの、やはり全員何度も名前の載っている成績上位常連組だ。実際会ったことない人が大半だけど。

ちなみにゲボー君とブボー君の名前も当然のように載っていた。



目的も果たしたことだし、購買へ向かおうとして、再び人だかりの中を進む。


あとこの右足を前に出せば脱出っ…!ってところで、なんと私はバランスを崩してしまった。




そこそこの衝撃を覚悟したのだが、私の顔は固い床ではなく、何かしらの布にぶつかった。



「おっと…君、大丈夫?」


どうやら私はこの人に助けていただいているらしい。
高めの声がしたが、布越しでも分かるこの胸板の堅さはおそらく男の子だ。
というか何だこの視界の端にある深緑色のしっぽみたいなものは…。



助けてくれた彼の顔を見上げれば、そりゃあもうかなりの美形様が優しげなえんじぅスマイルを浮かべてらっしゃいました。



「ごめんなさい、ありがとうございました。」

「フフ、いいよ。」



しっぽだと思っていたものは、彼の三つ編みだった。

ん?今どっかで悲鳴が上がんなかったか?

謝罪もお礼も済ましたし、購買へ急がねば。ザゴメル君達とイチゴみるくメロンパンが私を待っている!



「…やっべ。」



私はチラリと時計を確認すると、ダッシュで駆け出…そうとしたのだが。



「え!?ちょっと君っ!!」



助けていただいた彼に呼び止められてしまった。スタートダッシュを邪魔された私は仕方なしに足を止め、ややキレ気味に振り向いた。ただしそこはちゃんと考慮してとびっきりの社交辞令スマイルをうかべて。



「……なにか?」



あ、駄目だ、やっぱり自分にウソはつけない、口が引きつる。



「ぁ、や…なんでもないよ。」

「そうですか、じゃあ引き留めるんじゃね……なんでもありませんっ!!!!」



やっば本音出ちゃったよ。しかもちょっとどころか90%程。あ、今私完全にあの美人男子に嫌われたなこれは。



「…まいっか。」



男友達ならザゴメル君やゲボブボ兄弟がいればいいもんっ。


クラスのリーダー格のエスカバ君とだってそれなりに仲良しだから、他のクラスの奴にどうこう言われたって屁のカッパ、どこ吹く風だ。






いわゆる出会いってヤツ

後々めっさ後悔する。


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