Prologue

「ウィーズリー先輩!よろしくお願いします!」


私はグリンゴッツ魔法銀行で働くことになった、いわゆる新社会人だ。長らくの間ホグワーツで守られていた、ピカピカの一年生。ようやく学校という束縛から解き放たれたワクワク感、そしてもう学校は私を守ってくれないという不安でいっぱいだった。


「君は確か、チャーリーの友達だね。」


だから、そう言って上司が微笑みかけてきたくれた時にはホッとした。不思議そうにする別の上司に「弟が彼女と同じ学年なんです。」と説明している。


「だけど、友達とは言え容赦はしないからね。」


いたずらに向けられるこの笑顔にくらりと倒れてしまう女の人は何人いるのだろう。私も例外ではない。撃ち抜かれそうになる心を必死にガードして、「はい!」と返事をした。


この時はまだ、知らなかった。そして知りたくもなかった。このイケメンことビル・ウィーズリーは、とんでもないセクハラ魔人だったなんて!




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