長編 | ナノ


▽ 空は青い




 俺がもし物語の中でポジションを得るなら間違いなく、脇役だろう。
 何故なら、幼馴染に勇者テンプレな奴がいるからだ。でもそこまで悪い奴じゃあない。なんだかんだでノリはいいからな。まあ、若干ハーレムの鈍感野郎だが。

 さて、先に俺とそいつの紹介をしておこう。

 俺は暁霧里(あかつき きり)。喧嘩は強いが、それ以外は殆どと言っていいほど平均のフツメンだ。黒髪黒目の純日本人な。
 次に俺の腐れ縁の神条悠宇(かみじょう ゆう)。茶髪黒目のテライケメン。さっき挙げたように若干のハーレムで鈍感野郎だ。こちらは運動神経抜群、テストも毎回上位。
 俺も勉強だけは出来るんだが、面倒だから毎回手ぇ抜いてる。


 そんな俺たちだが。

「ねえ、霧里」
「なんだ」
「この足元の魔方陣的なのは何かな」
「そんなことか。悠宇、それは間違いなくお前を召喚しようとしてる魔方陣だ。だから、その俺を掴んでる手を放せ。」
「なんでそんな冷静なの!?」
「あー、空が青いなあ……」
「って、現実逃避かっ?」

 ナイス、ノリツッコミ悠宇。
 そして、俺たちの意識はブラックアウトした。



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