Aの憂鬱、bの純情24
一体どちらが美味しく頂かれてしまったのか?
それは誰にもわからない。
「あの、………どうだった?俺は上手くやれただろうか…?」
ポツンとした声でアラウディはハッとした。
何度目かの絶頂を終えてほんの一瞬、意識を飛ばしていたらしい。
僕としたことが。
このさかりのついた元童貞ボスに、みっともなく気絶させられるなんて。
アラウディは自責の念にかられるところだったが、幸いにも奴は気付いてない様子だ。
濡れたからだは既に繋がってこそ居なかったが未だ覆い被さったまま。
アラウディの顔のうえに柔らかな口づけを落としてくる。
どことなく名残惜しそうに。
「 あ つ い 」
「いつッ?」
急に気恥ずかしいような、照れくさいような気持ちになって、アラウディはジョットの額を指で弾いた。
その隙に乗じてスルリと彼の下から這い出て背を向ける。
「、おこっているのか…?」
こちらまで居たたまれなくなるような、そんな心細そうな物言いは止めてほしい。
しつこくやったのは、そっちのクセに。
「僕が怒ってるか怒ってないか、そのくらい分からない?お得意の超直感はどうしたの…」
だから、おまえには効かないんだ……
そう言いたかったが、アラウディに流し目で見られると何も言えなくなった。
「…いいから、君も寝な。…僕は疲れた」
ふぁ、と欠伸をひとつ。
後ろで、奴が盛大に戸惑っている気配がする。
「なに」
「なぜ、俺に背中を向けるんだ?」
「……恥じらうこともあるんだよ。例え、僕でもね」
「!」
アラウディの言葉にジョットも、さっきまで肌を重ねていたことを思い出した。
抱いている最中のアラウディの艶やかな媚態が蘇って、この美しい彼がずっと自分のものなら良いのに、と虚しい願いが胸に宿る。
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