Aの憂鬱、bの純情21
アラウディが何故下肢をひねり出して、自分を睨むのかは分からない。
けれども、なにかそういう態度も愛らしく、余計そそられるように感じる。
跳ねる白くしなやかな足をジョットは悠々と片腕に封じ込めた。
もしかしてこれは、自分を焚き付けるための演技なのだろうか。
「――!!?、はんっ、」
ぐ、と腰をすすめると、さっきまで拡がっていたアラウディの蕾はすんなりとジョットの怒張を迎え入れてくれる。
「んあぁ!」
思わず、悲鳴が出た。
奥のほうまで、またあの太い雄が菊門を貫いていく。
アラウディは望まない挿入に歓喜の声をあげてしまった屈辱に歯を食いしばった。
「、待って、って、ばか……」
「なぜ、」
「終わりって言っただろ…」
「?、おまえが終わったら俺の番かと……、さっきそうだったじゃないか」
「ばか」
灼熱するアラウディの胎内。
ぬっぽりと奥まで侵入してきたソレをぎゅうぎゅうと絞めあげる。
ジョットは、くっと呻いた。
「でも、こんなに熱くて……おまえも嬉しそうじゃないか…」
ジョットの手がアラウディの雄をそっと握る。
細身のそれは後ろの穴を犯されて、反りあがる程に勃起していた。
辱めるような物言いにアラウディの頬にさっと朱が走るが、ジョットには揶揄するつもりは毛頭ない。
そんなことが出来る男ではないのだ。
ただ素直に感じたことを言っているに過ぎない。
「どうすれば、おまえは気持ちいい?」
真摯なオレンジの瞳がそう言うと、もう逃げられない気がした。
あくまで優しく、揺すくるように律動するからだ。
アラウディに気を遣っているようだ。
「……っふ…、う…」
痛くとも、勢い良く激しくやってサッサと終わってくれたほうがアラウディにはありがたいのに、ジョットはそうはしない。
アラウディの細かな表情も見逃さないように見つめて、どこを叩けばアラウディが反応を見せるか懸命に模索している。
「……」
声を我慢して、アラウディはジョットから顔を背けた。
さっきまで童貞だった奴に思うようにされるなんて。
何より、健気に愛してくれようとするジョットを心の片隅で可愛く思う自分が許せないのだ。
「あ……、っ」
弱いところを掠められ、鼻にかかった息が洩れる。
気持ち良さそうに目を閉じたアラウディにジョットは嬉しくなった。
華奢な顔立ちが桃色になっていて、ジョットはその長い金のまつげに見惚れる。
アラウディの好きなところを覚えると、何度もソコを雄で掠めてやった。
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4.22