Aの憂鬱、bの純情20
はふ、と息をついて恍惚の表情。
からだの隅々まで若い精で満たされていくような甘美な悦びに浸る。
やがて満足したらしいアラウディは動きを止めて、ジョットと繋いでいた手をゆっくりほどいた。
「ぜんぶ美味しくいただいたよ」
ぬぷりと腰を持ち上げて繋がったところを見せつける様子は淫魔のようだ。
「………おわりなのか?」
「うん」
名残惜しさの欠片もなく抜かれ、外に放り出されるジョットの雄。
アラウディの秘部から白い欲液がドロリと溢れた。
とりあえず、筆下ろしは無事に済んだ。
依頼遂行完了。
アラウディはジョットの隣りに横たわった。
「じゃあ…次はいよいよ俺の番なのか」
「は?」
冗談を言っているとは思えない真剣さのジョットにアラウディは眠くなってきていた目をぱちくりさせる。
いや、考えてみればジョットは冗談など言えない性格だ。
特にアラウディに対しては。
「なにいってんの?」
「??」
ジョットは訝しむアラウディに少し首を傾げたが、それ以上は気にしないで彼の汗ばんだからだを仰向けにする。
驚くほど熱い手。
長い指でもって、力強くアラウディを転がして、片方の太ももを抱えて脚を左右に開かせるとその間に入った。
たどたどしさは残るが、もう恥じらいや弱々しさはなく……
「ここに入ればいいんだな」
「!、ちょっと…きみ」
熟れた其処をまじまじと直視されてアラウディはジョットを睨み付けた。
自分で見せつけて相手を恥ずかしがらせる分にはいいが、こんな風に無理矢理、足を広げさせられて上から急所を見下ろされるなんてプライドが許さない。
筆下ろしは終わったのだ(アラウディの中では)
アラウディはもう十二分に満足したし、二回もした後で結構疲れている。
「心配するな、俺だってちゃんと出来る」
「多分」
勘違いしたままの元・童貞ジョットは愛しそうに、アラウディの濡れた股間を撫でた。
「ッん、…待ちなよ!」
ゆるんだままの無防備な菊門に突きつけられた凶器に息を飲む。
流石というべきか、ソレはまたしても臨戦態勢になっていたのだ。
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4.21