Aの憂鬱、bの純情17


触るつもり…?
触らないつもり…?


乳首をよだれまみれにされながら、アラウディは己の局部に這い寄る手を冷静に見つめた。

汗ばんでじっとり熱い掌。

舌使いも、とてもテクニシャンとは言ってやれないが、可愛いものだ。

寡黙な仮面を脱ぎ捨てた彼が夢中で貪ってくるなんていうのも、悪くない状況。
自分で多少の準備を施した後ろの蕾が疼く程度には、アラウディの肢体も期待している。

「っあ…」

小さな声を漏らして“しまった”と思った。
進退極まっていたジョットの手が不意にアラウディの性器を握り締めたのだ。
アラウディの声にジョットの手もびくりと竦む。

おっかなびっくりのクセにやるとなったら大胆である。
ただ、愛撫はこれ以上ないくらい下手だった。

これでは、いつまでたっても達せないどころかゆっくり萎えてきそうだ。

「手、こう…うごかして」

根元から先端まで、握った手を上下に動かすように、ジョットの手に自分の手を重ねてやる。

「こわれたり、しないから、激しく、ね」

その文言が効いたのか、すぐにジョットは慣れてきたらしい。
強弱をつけながら、上に下に、せっせと手を動かす。
じきに、くちゅくちゅと卑猥な雫があふれる音がした。

「…上手、うまいよ」

アラウディの声は、はっきりと上擦っている。

雄のくびれにジョットの指が当たると、顎がくんっと上向いた。
ジョットもそれを感じ取ったのだろう、指の動きがますます激しいものになる。

このまま、胸の先に吸いついているジョットの顔だけでも満足な気がしたが、アラウディは絶頂するつもりはない。

汁だくになってしまったジョットの指をやんわり搦めるように制止し、囁いた。

「うまく出来たから、ご褒美あげる」
「…?」

止めさせられて、ちょっと淋しそうな表情をしていたジョットはポカンとしている。



**

4.16


ついにどうこうしていい乳首をどうこうしてしまったなジョット







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