Aの憂鬱、bの純情10


いくら呑んでも酔えそうにない……。

アラウディの好きなワインというそういうオプションが付いている事自体には酔っている気もするが、緊張しすぎで、アルコールが回らない。

ペースも考えずガバガバと呑んでしまって、印象を悪くしたろうか。

そして…


……これは、言うべきか?



ベッドで腕相撲の姿勢を取るアラウディを前にジョットは、とある一点にちらちら視線を奪われていた。

ジャケットを脱いだアラウディは襟元をはだけさせていて、しろい胸が覗ける。
淡いピンクの尖りが奥で、その存在をジョットに知らせていた。


乳首が…見えているぞと教えるべきなのか………?

いや、だが…純粋にゲームをしてる最中に乳首の露出を指摘するなんて無粋か?
逆にセクハラめいているし…
アラウディに恥をかかせてはいけない。

そう思いながらジョットは何気なくアラウディの腕を再度押し倒した。

しかし、あの乳首は筆下ろしの最中に俺がどうこうしても、いい乳首なのであって(多分)

其処まで考えてジョットは尖りを視界からシャットアウトした。
妄想を更に膨らませたらどうにかなってしまいそうだったのだ。


しかも、この腰つき。
柳腰というやつだ。
ほっそりとしていながら、尻にいたるまでの優美な稜線。

腕相撲をこんななまめかしい仕草でやるとは…………

ジョットはクラクラしそうだった。

アラウディはくちびるを食いしばって、ジョットの腕をベッドに這わせようと(無表情で)頑張っていたが、ジョットは集中するどころではない。

否が応でも、筆下ろしへの期待は高まるばかりだ。


「アラウディ…、」
「なんっ、だいっ」
「そろそろ俺が負けたほうがいいか?疲れたのではないか?」

アラウディの触ってと言わんばかりの乳首がどうしても気になって、ジョットは止せばいいのに余計な提案をする。(むしろ精一杯の気遣いだったのだが)

悪気がないからこそ、それは負けず嫌いのアラウディの神経をもろに逆撫でした。


ジョット(童貞)のくせに………

「ふ、……」

口の端で笑うアラウディにジョットはゾクリとする。

「僕を本気にさせたいみたいじゃないか、ボス……」

単に自分がふっかけた腕相撲に勝てなかっただけなのに、起き上がったアラウディの背後に静かな苛立ちの炎が立ち上っていた。

「な、!?」

ぎょっとするのも無理はない。
アラウディの細い足がニョッキリ伸びたかと思った途端、ジョットの股間を柔く踏みつけたのだ。



**

4.7


アラウディ様ひどい

ジョット弱い

いろんな意味で







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