あの子をメニューに例えたら:中編(王様綱吉)
*ひばりさんがツナにがぶりと噛みついた後から
「ツナ……」
薄ら笑いのツナに声をかけたのは山本武だ。
弱った顔つきで、どうやら、反抗的な態度を崩さない雲雀が、ツナに暴力でもって躾されるのでは…、と心配しているらしい。
「どうしたの?大丈夫だよ、やまもと」
そんな心配は杞憂だとばかりにツナは首をかすかに傾けて微笑む。
ツナはどんな時も温和なのだ。
少なくともツナ自身は自分をそう評価している。
「ボス、雲のひとに、痛いこと、しない?許してあげて…」
「当たり前だよクローム。オレがひばりさんにヒドいことなんかする筈ないよ」
だから、山本やクロームが強張った表情でこちらを見守る意味も分からなかった。
「ですが組織に、君に、平気で牙を剥く人物の存在を許すべきではないでしょう…アルコバレーノも彼の処遇を考えているのでは?」
雲雀を戒める鎖に手をかけ、冷徹に問う骸。
「んー、オレ個人としてだったら…本当はそういうの強制したくないんだよな。だってほら、ひばりさんって先輩だろ、一応。」
くつくつと笑うツナに骸がクハッと吹き出してみせた。
「今更ですね。敬愛すべき先輩を拘束して躾しているのは君自身だ」
骸の言うとおりかもしれない。
だけど、ツナだって思うところがあるのだ。
ツナはくちびるをツンと尖らせて、
「わっかんないよ。オレが出来ることと言えばさ、」
まるで何でも無いことのように、ボスの小さな手のひらは、雲雀の臀部をズボンの上から鷲掴みにした。
「雲雀さんをメニューに例えたら、って話だよ!」
ホッカイロを揉み込むような手付きで一見ぞんざいに扱われる雲雀の尻。
学生ズボン一枚では当然ソコを守ることなど出来ず、柔らかな双丘はひたすらムニムニと揉みしだかれている。
「あ、…」
あがった驚きの声が誰のものかは不明だ。
顔を完全に伏せている雲雀の表情がどんなものであるか、ツナは想像する。
拘束され跪かされ、挙げ句今まで見下ろしてきた草食動物の群れの真ん中で小動物に尻を揉み抜かれる屈辱は如何ほどのものか。
「…、…」
両手でもって撫で回していた尻。
両方の親指をスッ、と谷間の中央の深みに滑らせると雲雀の細い体躯がピクリと揺れる。
カチャ、と彼を戒める鎖も音を立てた。
「感じちゃったんですか?」
きょとんと、大きな琥珀をパチクリさせてツナは雲雀の耳元でたずねる。
「………………」
だが雲雀は何も言わない、反応しないと決めたらしい。
黙ったままの雲雀を、骸はただ冷酷に見つめ、クロームたち女子は所在なげにしている。
(まぁいいや!)
雲雀が気持ち良かろうと悪かろうと、ツナは思うようにするつもりだ。
(だって)
「今はホラ、ズボン穿いてるから黒いでしょ」
それがね。
妙に手慣れた様子でズルリと下げられる雲雀のズボン。
黒の下着ごとそれがおろされると現れたのは、散々ツナに揉まれて桃色に染まった雲雀の柔尻だ。
「ひばりさんって、どう考えても白桃のコンポートだよ!」
片手でぷるりと強く、撫で上げられる桃の右側。
「ね?」
みんなに同意を求めても、恥ずかしそうにもじもじするばかり。
「、そうっスね」
唯一、獄寺だけはやや悔しそうに返事を寄越した。
→後編につづく