続レンタル茶うさぎ:6
明らかに出鼻を挫かれた形だが、こんな無邪気な小動物に対してヘソを曲げても始まらない…
胸にキュッと抱っこした茶うさぎのほうを仕方なしに見てやると、茶うさぎは何事かを訴え出した。
「えーっと、実はオレ…」
わきわきわき…!
沢田綱吉が両手を構え、まるで関節などないようにクネクネ指を動かしだす。
「プロ並みのマッサージが自慢なんです!」
「……………」
マッサージ。
今は全く興味のない文言が出た。
だが、小動物は本気でサービスをするつもりらしく、気合い満々である。
「後ろむいてください。お肩もみますから」
(僕としては、サッサと致したいんだけどね)
しかし流石にクールな雲雀はガッカリした素振りを見せず、小動物を膝から解放して背を向けた。
まだ夕方なのだ。
しばらくこの茶うさぎの気の済むよう付き合ってあげても構わない。
そうして可愛い茶うさぎから目を離した雲雀は、知らなかった。
つぶらだった沢田綱吉の琥珀色の瞳がギンと冷徹に輝きを増した、その事に。
レンタル茶うさぎ