続レンタル茶うさぎ:4

+あらすじ+
ついに、自室に可愛い茶うさぎを連れ込んだ雲雀恭弥。
さてさて、お楽しみのお注射は……!?





***

学ランをクローゼットにしまい、沢田綱吉を振り返ると、やつはオドオドと雲雀の部屋を見回していた。
自宅でサービスする事も多いだろうに、本当にすれていないピュアなうさぎである。
目と目があうと、ちょっと気恥ずかしそうにする仕草も。

部屋に二人きり、という事実を意識しているのだろうか。

実に幼気だ……雲雀の残忍なまでの征服欲にも拍車がかかるというものだ。


「座れば?楽にしてていいよ」
「あっハイ、ありがとうございます」

すぐに薫りたつ紅茶と、ナミモリーヌのクッキーが運ばれてきた。
うさぎを家の者に見せぬようそれらを受け取る。

うさぎは、華美ではないが上品な調度品の数々に落ち着かなさげなままだ。
「並盛」の文字が美しい掛け軸や艶々した達磨……
日本的な美に満ちた雲雀自慢の部屋は彼の興味をそそったようだ。

ふ、と僅かに笑みを零し、雲雀はお茶をすすめた。

「わ、いいにおいですね…」

低い鼻をひくひくさせて紅茶の匂いを嗅ぐ姿もうさぎそっくりだ。

「僕は一流のものしか口にしないからね」

クッキーを一枚つまんで口元に持っていくと、沢田綱吉は従順に口を開けた。

「あーん」

サクサクサク………
バターたっぷりの贅沢な味わいに丸いほっぺたが幸せそうに緩む。


(く……………、かわいい……)

雲雀は無表情をギリギリ保ったが、沢田綱吉の可愛さに心の中では床をバンバン叩いていた。

そう、小動物の餌付けは楽しいがいつまでも我慢は出来ない。

そもそも今までの人生で雲雀は我慢などしたことはなかった。

(健気な小動物が相手といえど――僕は僕だからね。遠慮なく頂かせてもらう)


鋭い眼光を光らせ、赤いくちびるを一舐め。
雲雀はゆっくりと手を伸ばした。




***





レンタル茶うさぎ

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