拷問ごっこ :56(t)
「………」
綱吉が、はっと我を取り戻したら、細い背中を腕に閉じ込めて意識を飛ばしてしまっていた。
「ぅう…」
よっこら、身を起こして恭弥の顔を覗き込んでみると若干寝苦しそうな表情をしている。
頬に残る涙のあとに申し訳なさを覚えた。
「ごめんな」
柔らかい黒髪を優しく掻き撫で謝ると、ベッドからそっと降りる……
ガサ、ガサ、……
綱吉が疲れたからだに鞭打って何をしているのかというと、クローゼットの奥の奥にしまい込んだダンボールの中をしゃがんで必死に探っているのである。
「あった……」
小さなカメラを取り出すと、まだあどけなさの残る可愛い恭弥の寝顔を、そしてなまめかしく横たわる寝姿を数枚、撮影した。
前からだけでなく、背面にも回って淫らに開発された丸い尻までをも、写真に撮ってしまう。
「……また、最高のが撮れちゃったな…」
汗と白濁にまみれた桃尻に感嘆のため息。
綱吉の元には、三年前のあの拷問ごっこで使った恭弥の成長を撮りためたアルバムがあった。
「俺の恭弥くんコレクションもいよいよ一冊丸々埋まっちゃうから新しいアルバムを用意しないと」
最初のほうには5歳ほどの幼い恭弥がだんだん成長していって真ん中あたりに、三年前の事件後、やはり綱吉にいいだけ抱かれて気絶してしまった恭弥の痴態がしっかりと記録されていた。
「これからも―――ずっと、撮らせてね」
愛してる、
呟いていたわるようにうなじにキスを落とした綱吉はどう見ても、組織の立派なボスというよりも、立派な変態であった。
それでも仕方ない。
いい大人になってまでもこの少年愛しさに狂ってしまう自分も嫌ではないから。
「それだけ、俺がきみを好きってことだもんな」
抱き寄せてみると、意識もないまま綱吉の胸へ、猫みたいに寄り添う恭弥に、しあわせが溢れた。
拷問ごっこの名を借りた2人のじゃれあいは、これからもずっとずっと、続くのである。
完
**
2011.7.28
おちがつかなくて日付かわったやん
結局つかんかったが…
読んでくださった方、ありがとうございます!
拷問ごっこ