拷問ごっこ :48(t)
腹の上で必死に起き上がろうとしていた恭弥が、ひどく狼狽した様子で背後を振り返る。
それは当然の反応だった。
綱吉の両手首には手錠をかけ、先ほどまで自由を奪っておいたはずだったのだから。
だが、後ろに他の誰がいるという訳でもなく。
恭弥の桃尻にしっかりと食い込む指は、やはり綱吉のそれだ。
はっと視線を向けた先には虚しく転がる、空の手錠。
「なんで手錠抜けなんか出来るわけ…」
長々と口付けを交わしたせいか朱くぽってりとしたくちびるが呆然と動く。
綱吉は苦笑いをもって答えた。
「護身用の技術というか―――便利だろ?抜けられたほうが……」
「僕はちっとも便利じゃ、ッ!?」
尻を揉んでいた指先を恭弥の菊門を守るビキニパンツに引っ掛けると、迫る危機に恭弥は身を捻った。
「止めてくれる…!」
けれども、こうなってしまえば綱吉のものだ。
薄く見えるが実は筋肉がついたからだで恭弥をぎゅうと抱き締め、パンツの脇から入れた指で硬く引き締まった菊門を撫でた。
「恭弥くん…ズラしたままシていい?それとも、脱がした方がいい?」
さんざん意地悪をされた分、可愛がりたい。
背中を掻きなで問えば、腕の中の少年は歯噛みして悔しがっている。
「あなたが、こんな油断ならない大人になるなんて僕は思わなかったよ」
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2011.7.17
拷問ごっこ