私立星月学園星座科。
それが私の今、所属する学校と学科
その専門的な内容から女子生徒が少ない(ていうか二人だ)けど
天体の勉強が好きな私はこの学校が大好きだって心から思う。
でも私はこの学園で一つだけ入学して以来ずっと気に入らなくてずっと疑問に思ってることがある。
「なんでこの学校はこんなに制服がごちゃごちゃしてるのかな!?」
ホント制服がゴテゴテしすぎだって。
いや、可愛らしくていいと思うし、デザインだって好きだよ?
でもさ、
「スカーフむかつくうわあああん!」
不器用な私はスカーフが巻けません。
普段、冬服を着るときは弥彦からかっぱらったネクタイ着けてるけど、
今日は高校に入って初めて出来る後輩たちがやってくる式典
入学式がある。
式典の時はさすがに私も弥彦も正装をしなくてはならない訳で、
「もうスカーフ嫌あああ!」
何回やっても巻けないスカーフに悩まされなきゃならない訳で、
「もうホント、なんでこの学校の制服はこんなにごちゃごちゃしてるのさーー!」
と無限ループする訳です。
……
………
そして、入学式も会長の恐怖政治宣言も(無事じゃないけど)無事におわった。
スカーフはあれをあと5回くらい繰り返して、無理だと気が付いたから
颯斗くんにやってもらった。
さて…、
「弥彦!
ネクタイを!私に!今すぐ!寄越せ!」
「はあ!?
今日くらい青空に巻いてもらったんだからスカーフしとけよ!」
「やだよバカ弥彦!
さっき散々、隆文とバカにしたくせにっ」
「いや、だってお前普段ネクタイだから違和感しかなかったんだって。
それに自分でスカーフ巻けないとか…」
必死に笑いを堪える弥彦。
また私を笑うとはいい度胸じゃないか、弥彦め…
「ならいいよ、無理矢理とるまでだから!
首しまっても文句は言えないからね!」
「いや、言うわ!!」
「だったら寄越せばいいじゃん!」
「わかった!わかったからネクタイ引っ張る、な…!」
弥彦の顔が若干青くなってきていて危険なので手を離す
「まったく、日菜子に抵抗するだけ無駄なのにな」
鮮やかな緑が視界に入ってきた。
「隆文も絞められたいの?」
全くもってこのバカ二人は命知らずだ
「もうそれ目的違ってきてるじゃねえか…」
「そう…」
ふっ、と息を吐き隆文のネクタイに手をかける。
「やめ!俺が悪かった!だから止めろっ」
「最初からそうすればいいのに」
「よしほどけた。
ほい、ネクタイ」
弥彦がほどいたネクタイを私に渡してくる
「…」
「ん?どうした日菜子?
受け取んないのか?」
「日菜子?」
「なんでネクタイほどくのー!?バカ弥彦ーー!」
「え?ちょ、意味が理解できな…ぐぇっ!!」
ガッ、と弥彦の胸ぐらを掴む
「私はネクタイ結べないのよ!」
「じゃあお前ネクタイどうやってつけてんだ!」
芝生眼鏡が私の発言に疑問を持ったのか聞いてくる
「わっかを残しとけば首に通して上げるだけなのよ!結ぶ手間がないの!
だからネクタイ着けてるのよっ」
ネクタイもスカーフも結べないけど
ネクタイなら輪を残しとけば首に通すだけだから着けてるのに…!
理不尽に怒ってる自覚はあるけど、さらに不器用さを露見しなきゃならなくて恥ずかしいのもあるんだよ!
「わかった!結んでやるから!結んでやるから、白鳥離してやれ!
顔が生きてる人間の肌の色じゃないから!」
「きゃっ!?弥彦が変色してる!?」
驚いてパッと手を離すと
弥彦はよろめいて頭を壁にぶつけた。
「……あぁ…俺の、天使が…見える…」
「待て、白鳥!夜久はここにはいないぞ!?」
「弥彦ごめんね!成仏してね!」
「おい待てそこの加害者!」
『…騒ぎながら、死にかけながらも、また私達の普段の生活が今年度も始まる。』
「裏声で小説風に閉めようとすんな!
ていうか死にかけることを日常にいれんなーー!!」
結局、弥彦はその後来た颯斗くんに保健室へ連れていかれ
私のネクタイは龍之介くんに結んでもらった。
弥彦はしばらくしたらもとにもどったけど
顔は1日中どことなく青かった。
春の暖かさにつられて調子にのりすぎと反省している(後日 談)
でも、なんだかんだ言ってこの雰囲気が好きなのは私だけじゃないはず…
(良いように見えるようにまとめやがって…)(いいじゃん、事実でしょ?)(……あぁ、そうだな…)
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夢主はっちゃけさせすぎたーー!
「!」多すぎだし、終始叫びすぎだし…
でも(私が)楽しかった。