君の存在が
例えば、何も無い所で転んでしまった時。
例えば、バスが目の前で行ってしまった時。
例えば、自分のミスで他の人にも迷惑をかけてしまった時。
例えば、夜遅くに一人ぼっちで帰る時。
堪らなく寂しくなって、君の声が聞きたくなるんだ。
『プルルルルルル…』
そんな時に思ったまま、わたしは電話をかけてしまう。
君へ繋ぐコール音さえもわたしを安心させてくれる。
『もしもし、名前?どうしたー?』
端末から聞こえる電子的な君の声が、わたしを呼ぶ君が、
「あのね、声が聞きたかったの」
『ん?そっか?』
愛しくて、
「弥彦、今度一緒にみたいDVDがあるの」
『おー、いつがいい?』
「早い方がいい」
『じゃあ今週末』
「いいよ」
たわいない会話が、堪らなく幸せに感じるの。
『じゃあ今週末うちでいいか?』
「うん!楽しみにしてる」
『おう、俺も』
「ご飯はね、一緒にハンバーグつくろう」
『いいな』
「それでね?…」
わたしは君に力を貰う。
笑顔で、声で、話すだけで、君の存在がわたしに元気をくれるの。
あぁ、今日も辛いことあったなあ。
明日も頑張ろう。
君の存在がわたしの明日を支えてくれてるんだよ
言ったら君は調子に乗るから教えないけど。
週末楽しみだな。
∵ 君の存在が (白鳥弥彦)
ただの気分小説。
相変わらず短い。
でも、きっと白鳥とはこんな感じだろうなー、と思って。
20120501