「お帰りなさい」
家の扉を開けると愛おしい人が笑顔を俺を迎えてくれる。
その姿はこれ以上に幸せなことなんてないんじゃないかと思うぐらいに幸せな気持ちにさせる。
…こいつはいつだってそうだ。
他人が幸せになれるように自分ができることをする。
こいつを見てると簡単なことに思えるが何より難しいことだ
「なぁ、水月」
あいつの名前を呼ぶと水月はきまって
「なんです?」
って、キョトンとしたような顔で同じように答える。
その表情も、声も、やっぱり俺を幸せにさせるもの。
「お前はさ、面倒だとか思わないのか?」
少し聞きにくい質問なせいか抽象的な言葉が口からでる
「何をですか?」
わからない、って顔。
そのポカンとした表情も
どんなこいつがしてるだけで可愛くて好きだ、と思ってしまう俺はきっともうこいつから離れられないんだろうな。
「いや、お前だって仕事があって疲れてるのにいちいち俺が帰ってきて出迎えるのは面倒じゃないのか…?」
こいつの返答なんてわかってる。
わかってるけど、どうしてもこいつの口から俺を安心させる答えが欲しい。
そう思ってしまう。
少しだけ重たい思い。
そう不安に思っていると
「ふふっ」
あいつは全部見透かしたように笑う。
わかっているのだろう、水月は。
俺が欲しい返答も、何を考えてさっきの言葉を発したか、も。
「ねぇ、一樹さん。」
キレイな唇は俺の名をつむぎ、可愛らしい声でその音を伝える。
「なんだ?」
簡単に聞き返してかえってくる言葉を待つ。
「確かに私も疲れてますよ、
でもね」
そこで一区切り置いてあいつは歌う
俺への愛を
「一樹さんはまるで『俺のため』みたいにいいますけど、
疲れてる時に何よりみたいのはあなたの顔なの。
疲れてる時に何より聞きたいのはあなたの声なんです。
一樹さんが私に『ただいま』をいってくれるのが私の一番の幸せで、それだけで疲れなんか消えてなくなるんです。
その声に答えるために『おかえりなさい』っていう時間が私の一番幸せで何よりも私を癒してくれるんです。
これは、私が幸せだからしてるんですよ?」
"あくまでも自分のため"
そう言ってお前はまた可愛らしい笑顔を俺に向ける。
…想像の右斜め上をいく答えだな。
やっぱり俺はお前にはかなわないよ。
「なぁ、水月」
「なんですか?」
「お前はどんな表情でも可愛いが、やっぱり今の顔が一番好きだ。
だから
」
チュッ
「その顔を俺に一番近くで見せてくれないか?」
「…ッ!?
じ、事後承諾ですっ!」
「赤い顔も可愛いな」
「わわっ!…………んぅ」
チュッ
全くかなわないなんて悔しいんだよ。
だから
少しくらいのイタズラは許してくれ。
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夢主のキャラ作りその1←
うちの子はこんなキャラですって伝えたかったんです(伝わらなかったけど)
それと月子ちゃんの「事後承諾です」
があまりの可愛さに忘れられなかったんです…(言い訳)←
それに牡羊座は負けず嫌いらしいので
最後にささやかな反抗をさせてもらいました
ら、残念さが増したっていう(苦笑)
お粗末様でした。