「なぁ、」


トサッ

私の身体が反転してベットに沈む。



「…お前のこと大事にするって約束するから。

だから
お前を全部を俺にくれないか?」










さかのぼること一年前。


星月学園で哉太と出会って、仲良くなった高ニの春
あのときから私は彼と付き合ってる。




哉太が好きで、大好きで、愛してて

それこそ身体を許すことだって彼になら躊躇わないくらい彼が好きで


私は先刻の優しい彼の言葉に迷うことなくうなずく所だと思った。





でも、





「やだ」


私の口が発したのはその考えとは逆の言葉



理由を簡単に言うと、ひどいことだけど彼を試したかったから






彼は普段言葉での愛情表現をあまりしてくれない

彼が言うには“大事な言葉はいつも言ってたらその言葉が軽くなるからダメ”らしいけど、
私は少し寂しい


別に彼の気持ちを疑うわけじゃないけど寂しさはどうしても生まれてしまうんだ。それだけあなたが好きだから





気付いたら試したいって、彼の本当の気持ちが知りたいって思って拒絶の言葉が口を飛び出していたの




こうやって「君」を拒絶してもあなたは私の側にいてくれますか?




―ただそれだけが気になってあなたを傷付ける私は酷い人間だ


ずっと嫌われて当たり前だと思っているんだけど、彼は私を嫌いになるのが遅い








「そうか、そうだよな。
ちょっと焦りすぎたわ、ごめんな?」



彼は眉間にシワを寄せて申し訳なさそうに私の上から退いて、
手を引き私を起き上がらせてくれる




「俺、お前が好きだからさ
お前が嫌じゃないって思えるようになるまで待つよ。」



彼は私をふわりと優しく抱き締めて
それと同じくらい優しい手つきで私の頭を撫でる



「怖い思いさせてごめんな」




傷付いたのは彼。

苦しいのは私じゃない。

それなのに彼は私に優しく触れ、珍しく私に愛情表現をしてくれて、私に謝ってくれる。





ただ私の気まぐれで彼を傷付けて、そのくせ
“やっぱりあなたが好き”
そんな風に思って、やはりあなたを欲する私は誰より我儘だと思う。


でも、胸から溢れる思いを押さえられそうにないんだ







「…ごめんね」


今度私の口から零れるのは謝罪の言葉




「いや、お前は悪くないよ」



「ううん、そうじゃなくて…」






サリ、




「やっぱり私も哉太が欲しい」



今度は私が彼を押し倒す番だった。






(ねぇ、どうかまだしばらくこんな我儘な私を嫌いにならないで。
あなたが好きすぎて狂いそうなの)






-*-----


軽く15禁だけどせふせふ!←


人間味のある夢主が好きです。
綺麗なだけの人間じゃないほうが愛しさも増すといいますか…

それを伝えようと思ったんだけど変なんなった…(デフォ)



お粗末様でした


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