春歌が作曲家志望だって聞いたとき、運命かなって思った。 いつか、私に曲を書いて欲しいと思ってた。 あの光を映した瞳が私だけを捉えて、そのまま溶けてしまえばいい。 小さいのにしゃんとした後ろ姿を見る度に胸が苦しくなる。 可愛い笑い声がころころと震えて、愛しい。 春歌が私ではなく彼らに夢中になるのはすぐだった。 1番そばにいたのに、私じゃなかったんだね。 眩しい王子様に私は敵わないよ。 春歌は嬉しそうにきらきらして、彼らの話をする。 彼らなんてやめて、私のパートナーになって、って言ったら春歌はどうするかな。 その綺麗な顔を困らせたら、私は悪人になってしまう。 春歌が幸せなら、それでいいんだ。 だから1番の友達でいてね。 王子様にだって、それは譲らないから。 130529[戻る] |