※愛音独白
※愛音→→→→→嶺二


夢に向かってまっすぐ走る君が眩しかった。僕にはない、何かが君にはある。憧れだったのか嫉妬だったのか今はもうわからないけれど、どちらであっても僕は君を好きだったんだ。
お調子者のフリをするくせに誰より周りのことを見てて、誰にだって笑いかける。君みたいな人間がアイドルなんだって思った。だから、素直に好きだなんて言えなかったんだ。僕は君のライバルだったから、君は僕だけを見てはくれなかったから。夢も君も僕には遠すぎた。僕は、どちらも手に入れられなかった。
僕は結局独りよがりで、君の為に何かをしたことなんてなかったのに、君には僕の為に傷ついてほしくて僕の為に泣いてほしかった。だから君を傷つけるとわかっていてひどいことを言って、君を泣かせるとわかっていて失踪した。
君はこんな僕をどう思うかな。
ひどい人間だと思うかな。
思わないんだろうね。
君は優しいから、自分を責め続けるだろう。
ごめんね、嶺二。
君を壊してしまった。
僕を恨んでよ。
お願い。
あいしてるから。

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