Sign:again

Sign夢主の設定上、物語の核に関わるのは難しいので、無印中盤〜Wの話は関われそうなところだけを追っていき、W後からウォーズ前までの話をメインにしたいかなぁと思いました。Sign夢主は徹底的に一般人でいきたいんです…世界の命運とか関係なしに普通の生活を送っているんです…。
短編自体はわりとノリで書いた節がありますが、ところどころに伏線になりそうなネタは仕込んでおきました。回収できるかどうかはともかくとして。
ですが、そもそもの時点でダン戦自体、アンケートを見る限りあまり需要は無いみたいなんですよねー。圧倒的にパワポケなので、更新比率的にも、やっぱりSign続編は難しそうですね…妄想だけしておきます。

以下はネタ帳から引っ張ってきた、Sign夢主と鴇色夢主が同じ世界観に存在しているとしたら、という小話。









海道邸に仕えていた友人がいる。彼女は私たちより少し年上なようで、いつも一歩引いた位置から私たちを見つめているのだ。アミやダイキが何らかの組織の一員として動いていることは薄々感付いてはいたものの、ダイキがしきりに私からそれを隠そうとするものだから、模索するのも億劫になって彼がついてくるなと言ったときには大人しく引き返すことにしていたのだが、ある時たまたま海道ジンという少年とアミが一緒に歩いている場面に出くわした。そしてその後ろから少し遅れてやって来たのが、彼女だった。アミが私を簡単に紹介すると、彼女は人当たりの良さそうな笑顔を浮かべて名乗り返してきたものの、どこかぎこちなかった。私を見ていながら、私を見ていない。ダイキの友人であり紅色のクノイチを操るLBXプレイヤーである、アミやダイキとは仲が良いものの山野バンやら郷田ハンゾウやらは名前くらいしか知らない……その程度の紹介だったように思う。しかし彼女は、私を見てまるでいないものでも目視してしまったかのように動揺したのだ。

「私の知っている物語に、あなたは居なかったから」

彼女はただ簡潔に、そう答えた。その後気になった私は彼女を捕まえて問いただしたのだ。私に何か言いたいことがあるのならはっきり言え、と。そして返ってきた答えは、これである。申し訳なさげに俯き表情を曇らせる彼女を見てあまり問い詰めるのも酷かとは思ったものの、ここまで来たら全て吐かせようと決め、話を促す。

「信じてもらえないと思うよ」
「目は口ほどに物を語ります。私を見たあなたの瞳の不自然さを前にすれば、粗方のことは信じられるかと」
「……私、この世界の人間じゃないの」

彼女の口から発せられた言葉は、予想を遥かに超えた突拍子もないものだった。しかし、元来彼女は正直にしか生きられない人物なのだろう、それを語る彼女の目はあまりにも真剣すぎた。異世界人。物語を全て知っている。大きくまとめればそんなところだ。

嘘だとは思っていなかった。神隠しといったものは昔から日本に伝わっているし、平行世界――パラレルワールドも存在を真っ向から否定出来るほど私はその分野に詳しくはない。しかし、どこか雲がかっているというか、ぼんやりとした空想のように捉えていたのも確かだった。


2013/10/14 02:02



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