異教徒は導く以外ありえないww

※デフォルト名はカレン
※夢主が役割論者。この時点で嫌な予感がした方は回れ右で。




 何気なく訪れたライモンシティ、久しぶりに観覧車にでも乗ってみようかと遊園地に足を運んでいた。ここの観覧車は二人乗りなため俺一人で行っても門前払いを食らうのは言うまでもないが、大抵は同じく独り身のトレーナーがうろついているためパートナーに困ることはない。夏に来るとただの罰ゲーム、いや想像もしたくない苦行に揉まれることになるのだが……もう恐怖の夏は過ぎ、初秋がやってきた。恐れるものなど何もない。
 観覧車の前には、案の定一人で佇んでいるトレーナーがいた。しかも女の子だ、よかった、男じゃない! 同い年くらいに見えるし、突然話し掛けても可笑しな風にはとらえないはずだ。俺は意気込んでその女の子の元へと駆けて行った。

「ねえ、ちょっと良いかな?」
「んんww何用ですかなwwww」
「!?」

 えっ……す、少し、風変わりな人、みたいだな……。

「良かったら俺と一緒に観覧車に乗ってくれないかなーって思ったんだけど……」
「これはこれはwwww我もパートナーを探しておりましてなwwww貴殿、名は何と申しますかなwwww」
「あ、俺はトウヤだよ」
「トウヤ氏ですなwwww我が名はカレン……ヤレンと呼ぶが良いですぞwwww」
「はぁ……」
「ではトウヤ氏wwww観覧車に乗る前にバトルでもしませんかなwwwwww」
「あ……うん……」

 どうしよう非常に面倒臭い人に声を掛けてしまったらしい。若干後悔しかけてる。見た目は……見た目は普通の女の子なんだけどな……何というか全体的に残念すぎる。

「宜しくお願いします以外ありえないwwwwいきますぞ、ヤリルリwwww」
「……頑張ろう、ダイケンキ」

 彼女が繰り出したのはダイケンキと同じ水タイプであるマリルリだった。何やらスカーフを巻いているのを見る辺り、素早さに特化させて先手で技を決めるタイプだろうか。かといって先制技であるアクアジェットにしたところで与えられるダメージはたかが知れているし、ここは素直に攻撃していこう。

「ダイケンキ、アクアテール!」

 咆哮を上げてダイケンキのアクアテールが勢いよくマリルリへと突っ込んでいく。……え? こだわりスカーフを巻いていて、このダイケンキに先制出来ないの……? 確かにマリルリよりダイケンキの方が素早さ種族値は高いとはいえ、恐らく最速スカーフからの高火力技が飛んで来るものだとばかり思っていたんだけど……。

「んんww一致とはいえ半減アクテくらいなら余裕で耐えますぞwwww」
「なっ!? ほぼ無傷……!?」
「いきますぞヤリルリwwww特性ちからもちから繰り出される最高火力!! シルクのスカーフで底上げされたAHぶっぱばかぢからの威力をお見せする以外ありえないwwwwww」
「シルクの……スカーフ……だと……?」

 水タイプのマリルリにシルクのスカーフ……シルクのスカーフなんて巻いてるポケモン初めて見たよ……。
 恐ろしい火力のばかぢからの直撃を受けたダイケンキは一発KO、同じ水タイプのポケモンに負けたのが悔しいのだろうか、心なしか涙を流しながら瀕死しているように見える。

「我がヤーティの力を思い知りましたかなwwwwさて、それでは観覧車に参りますぞwwww中でじっくり役割論理について語り明かす以外ありえないwwwwww」

 俺もう帰りたい。

2013/09/18 19:06



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